デカダンス・ドゥ・ショコラにおいても、その技と見せ方に卓越した才能を発揮していたステファン・ヴュー氏ですが、ボンボンショコラのデモンストレーションでは、ピストレの上手な吹き方、型抜きチョコのうまく取れる方法に加え、基本的なチョコレートの扱い方まで、ひとつひとつ丁寧な説明がありました。
圧巻だったのは、シェフ自らがプロジェクターを使って受講者のみなさんに日本語で解説をしていたこと。日本語が母国語であっても、なかなか人に説明する、という作業は難しいところですが、毎回のデモで益々日本語に磨きがかかっているようです。
話は、横道に逸れましたが、ボンボンのガナッシュに選ばれた和素材は「すだち」徳島産の爽やかな酸味にCAPフレーズ(センガセンガナ)ピューレを組み合わせました。グラニュー糖、水、水あめで炊いた色が薄目のキャラメルソースにこれらの材料を混合し、バター、MCエリアンザイヴォワール、フレーズのリキュールでガナッシュを調整していきます。とろり、としたソース状の食感なのに、ある程度の保管がきくこの配合の秘密は糖度。Brixを高くすることで、日持ちの面をクリアし、素材の組み合わせで甘さを感じさせず、やわらかに仕上げた逸品です。ショコラの性格を知り尽くしたシェフだからこそ組める配合といえます。 ピストレは、持参したコンプレッサーで。細かい粒子ほど、薄くピカピカにかかりますが、ノズルが詰まってはいけません。ツヤの出る温度は29〜30℃。カカオバター+ホワイトチョコレート+チョコレート色素の配合比と温度で美しさが決まります。シェフのテンパリングは、基本的にマーブルテンパリングですが、ミッシェル・クルイゼルのチョコレートは粒が大変細かく仕上がっているので、フレークテンパリングに向いていて、ちょっとした細工物であれば、レンジを活用したテンパリングで十分にツヤのあるデコレーションパーツを作ることが可能とのことでした。 商品紹介
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