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プチガトー&ボンボンショコラ − 岡崎正輝 芋生玲子
まず午前中に行われたのが、「ル・モンディアル・デ・ザール・シュクレ2012」の世界チャンピオン・岡崎正輝氏と芋生玲子氏によるプチガトーとボンボンショコラのデモンストレーション。作られたのは今回の大会で優勝した際の作品となります。デモンストレーションの合間には、お二人がペアを組んだいきさつや今大会でのエピソードなどをお話して下さいました。
プチガトー ”ルミエール”
「ガナッシュ」、「コンポート」、「ジュレ」、「ムース」の4種類で構成されたフランボワーズのセンターを、濃厚なピスタチオムースで覆ったプチガトー。このケーキを制作された岡崎氏いわく、コンテストでは味以外に食感やケーキを切った時の断面の美しさも評価の対象となるため、岡崎氏は何度も試行錯誤を繰り返して、断面の美しさ・食感・味の組み合わせを考えて、このケーキを完成させたとお話されていました。岡崎氏の言われる通り、フランボワーズの赤とピスタチオの緑の配色で構成された複数層の断面は非常に美しく、4種類の状態で表現されたフランボワーズの食感は独創的で、大変印象的な一品となりました。
プチガトー ルミエール
プチガトー ”ソレイユ”
フランス語で太陽を意味する『ソレイユ』の名の通り、パイナップル、パッションフルーツ、オレンジ、ブラッドオレンジ、ココナッツなどトロピカルなフルーツをふんだんに使用した夏向けのプチガトー。様々なフルーツの味わいをバランス良くまとめるのは難しい印象ですが、所々に散りばめられたオレンジとライムの表皮が全体の風味しっかりと引き締め、見事にバランスの良い仕上がりを実現しました。さらにジュレとパイナップルソテーで構成された艶やかな表面が涼しさを演出します。
プチガトー ソレイユ
プチガトー ”ソワ”
香り豊かなマンダリンオレンジとしっとり滑らかなチョコレートムースを組み合わせた一品。制作された芋生氏が言うには、このケーキは大会専用に考えたケーキで、通常のお店では持ち帰りケーキとしての販売が出来ないくらい、柔らかさを重視して作られたそうです。さらにムースのセンターにパートシュクレを忍ばせることにより食感のアクセントを演出。凝固剤をムースが固まるギリギリの量まで減らすことで実現した滑らかな口溶けと、センターのパートシュクレのザクザクとした食感が同時に楽しめる、個性的なプチガトーとなりました。
プチガトー ソワ
ボンボンショコラ3種
■バトン
イチジクのコンポートとホワイトチョコを使用したピスタチオのガナッシュを組み合わせたボンボンショコラ。ピスタチオのガナッシュに使用する生クリームにはシナモンが一晩アンフュゼされており、上品な風味を演出します。またイチジクのプチプチとした食感が口の中で楽しい食感のアクセントとなっていました。

■レイヌ
パンデピス用のスパイスを使用したプラリネガナッシュに、サクサクした食感のクリスティアンプラリネを合わせたボンボンショコラ。香り高いスパイスの味わいとプラリネの風味が口いっぱいに広がります。

■ユヌ バグ ドゥ ラ ポワント
オレンジの表皮を漬け込んだ生クリームで作るキャラメルガナッシュとペースト状にしたアプリコットで構成されたボンボンショコラ。アプリコット特有のほど良い酸味と、ほのかにオレンジが香るキャラメルの風味が楽しめる一品となりました。
ボンボンショコラ3種
アントルメ&プチガトー − ブルーノ・クレ
続いて午後より行われたのがブルーノ・クレ氏によるクリスマスに向けたケーキのデモンストレーションです。デモンストレーションで行われたケーキは3品。更にレシピにはブルーノ・クレ氏の出身地であるバスク地方の焼き菓子2品も紹介されました。無駄のないスムーズな動きで次々をアントルメを仕上げていく様子に、世界トップパティシエの技術力を感じる事が出来ました。
アントルメ ”金の花びら”
ゼラチン不使用のムースショコラをベースに、レモンのコンフィ、ガナッシュ、ナッツのビスキュイなどで構成された濃厚な味わいのアントルメ。グラサージュを除いて、ゼラチンや卵黄などの凝固作用のある素材を使わず、ショコラに含まれるカカオバターの凝固性のみを利用し作られました。口に入れた瞬間にスッと溶ける極上のムースショコラは、まさに凝固剤不使用の賜物と言えます。濃厚なムースショコラの中には、程よい酸味のレモンのコンフィとナッツの風味が次々と現れて、口の中を楽しませてくれる一品となりました。
アントルメ 金の花びら
アントルメ ”ブルカーノ”
パード・ダマンドを使用したアーモンドムースの中に、紅茶クリーム、グリオットコンポート、アーモンドとマスカルポーネのビスキュイを組み合わせたアントルメ。紅茶クリームの上品な香りと甘酸っぱいグリオットコンポートを、風味豊かなアーモンドムースがまろやかに包み込むといった印象の仕上がり。さらにアーモンドとマスカルポーネのビスキュイがしっとりと溶けるような食感を演出し、やさしい余韻として口の中に広がります。モンタージュとしてガトーの名前を表現した「ブルカーノ(火山)」をプラックショコラとマカロンで表現されております。
アントルメ ブルカーノ
プチガトー ”秋の実り”
『秋の実り』をテーマに、ノワゼット、コーヒー、チョコレートを組み合わせたプチガトー。コーヒームースにはミルクチョコレート、ヘーゼルナッツムースにはスウィートチョコレートがそれぞれベースとして使用されています。作品全体は大変シンプルに構成されているので、それぞれのパーツの風味・味わいがダイレクトに感じられるケーキとなっており、コーヒーの風味、ヘーゼルナッツの香ばしさ、それをまとめるチョコレートがバランス良く感じられました。またブラウンの濃淡で表現された色合いが秋の雰囲気を見事に演出していました。
プチガトー 秋の実り
ピエスモンテ − 岡崎正輝 芋生玲子
ピエスモンテ ”ピエロ”&”ライオン”
ブルーノ・クレ氏がクリスマスに向けたケーキを制作する両サイドで、岡崎氏と芋生氏がそれぞれ一台ずつピエスモンテを組み立てるという、一風変わった進め方で行われたデモンストレーション。今回のデモンストレーションで組み立てられたピエスモンテは、2012年の3月3日〜3月6日に行われた「ル・モンディアル・デ・ザール・シュクレ2012」で、世界一に輝いた時に作られた作品です。両氏の担当は大会の時と同様に、岡崎氏がアメ細工のピエスモンテ、芋生氏がチョコレート細工のピエスモンテという役割。テーマは「サーカス」で、岡崎氏のモチーフは「ピエロ」、芋生氏のモチーフは「ライオン」となります。次々と立体的なピエスが組み立てられていく中、特に注目を集めたのが大会でも審査員より絶賛された「虹色の球」。数色のアメを重ねてボール状に仕上げていく様子はまさに芸術的で、会場に来ている多くの受講者より熱い視線が送られておりました。さらに各所に使われるパーツの作り方や、製造上の注意点なども伺うことができ、新しい世界チャンピオンの技術や知識を学ぼうとする受講者の方々が、熱心にメモを取っている姿が大変印象に残りました。
ピエスモンテ − 岡崎正輝 芋生玲子
 
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