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SOSAデモンストレーション2013
2013年10月30日、東京都渋谷区にあるドーバー洋酒貿易株式会社の講習会場にて、化学の理論を取り入れた新機能素材や、様々なフルーツ加工品の開発を行う原材料メーカー「SOSA社」の講習会が開催されました。
今回の講習会は、SOSA社の新商品「SOSAコールドコンフィシリーズ」と既存のSOSAラインナップを使用した新しいメニュー提案を目的とする内容となり、デモンストレーターは、SOSA社製品を知り尽くすお馴染みのステファン・ビュー氏が担当。
約4時間という限られたデモンストレーション時間でしたが、随所にステファン氏の技術や知識を散りばめながら、生菓子、焼き菓子、ボンボンショコラ、マカロン、アイスクリームなど、様々なメニューを披露して頂きました。
開催日 2013年10月30日(水)
講 師 ステファン・ヴュー氏
(株式会社スイーツ・シークレッツ エグゼクティブシェフ)
主 催 サンエイト貿易
会 場 ドーバー洋酒貿易株式会社 講習会場
エスペランサ Esperanza
エスペランサ Esperanza
最初にデモンストレーションされた作品は「Esperanza(エスペランサ)」。
この作品は、6つの層からの構成されておりますが、全ての層にSOSAコールドコンフィ・オレンジまたはコールドコンフィ・ビターオレンジが使用されています。 層は一番底面から、しっとりとしたオレンジ風味のスポンジ、コールドコンフィ・ビターオレンジを直接、マスカルポーネ入りミルクリゾット、オレンジ風味のムースショコラ、オレンジのシブースト、そして一番トップがオレンジのシャンティとなります。アントルメ側面の模様は、色素で色付けしたビスキュイ・ジョコンドを張り付けてデコレーションしています。 鮮やかなオレンジの色彩からも感じられるように、コールドコンフィ・オレンジとビターオレンジの風味を前面に押し出した力強い作品に仕上がりました。
オレンジ風味のシブーストの作業風景。カスタード部分とイタリアンメレンゲを並行して仕込みます。
仕上げにサントノーレ口金でコールドコンフィ・オレンジのシャンティを絞り、フルーツやショコラを飾り付けて完成。
アントルメとプティガトーの2タイプに仕上げました。鮮やかな色彩が目を引きます。
シャプテュル・ココ・フレーズ Subtil coco fraise
シャプテュル・ココ・フレーズ Subtil coco fraise
2品目は見た目もかわいいプティガトータイプの作品「Subtil coco fraise(シャプテュル・ココ・フレーズ)」。
この作品で使用されているのは、コールドコンフィ・レモンとストロベリーです。 コールドコンフィ・レモンは土台となるタルト部分のクレーム・ダマンドに使用。作品に程良い酸味を与えます。コールドコンフィ・ストロベリーはSOSAジェルクレムCOLDを添加してクリーム状にしてから土台のタルトの上に。さらにフレッシュのイチゴを乗せてから、コールドコンフィ・ストロベリーとシャンティを混ぜ合わせたクリームでイチゴを覆い、最後にココナッツクリームをモンブランの様に絞り、作品は完成となります。 レモンとストロベリーのさわやかな風味をココナッツの甘みがマイルドに包み込んだ一品です。
コールドコンフィにピューレやジェルクレムCOLDを加えてクリーム状にしたものを、土台となるレモン風味のタルトの上に絞ります。
さらにその上にフレッシュのイチゴを乗せてから、イチゴのシャンティやココナッツのクリームを絞り、作品の完成となります。
完成した「Subtil coco fraise」。イチゴのモンブランといった仕上がりです。イチゴとココナッツの相性も抜群。
ケーク・オランジュ Cake a l’orange
ケーク・オランジュ Cake a l’orange
3品目は焼き菓子「Cake a l’orange(ケーク・オランジュ)」。
メインとなるパウンド生地にはコールドコンフィ・オレンジを使用。シュガーバッター法でそれぞれの材料をつなぎ合わせていきますが、バターの一部代用としてサラダ油を加え、軽めの生地に仕上げます。上掛け用のナパージュにはコールドコンフィ・ビターオレンジを使用しています。焼き上がったパウンドの表面に塗り、さらにその上にアイシングをかけて180℃のオーブンで1分程度焼成して完成。 オレンジ風味のウィークエンドといったイメージの作品となりました。
パウンド生地は卓上ミキサーでブランシールした後、ロボクープを使って材料をつなぎ合わせていきます。
上掛け用のナパージュはコールドコンフィ・ビターオレンジに水や糖分を加え、ペクチンで固めます。
デコレーションとしてSOSAパッションクリスピー・ウェットプルーフをパウンドの底部に散りばめます。
今回のデモンストレーションでは、パウンド型以外にクグロフ型も使って焼き上げていました。
ピーチ&レモンフュージョン Peach & lemon fusion
ピーチ&レモンフュージョン Peach & lemon fusion
4品目は今回の講習会唯一のアシェッド・デセール作品「Peach & lemon fusion(ピーチ&レモンフュージョン)」。
メインとなる部分は、焼成してから筒状に形を整えたクランチーの中に、層状にパーツを敷き詰めたもの。パーツの構成は一番下から順に、オリーブオイルとレモンのスポンジ、ピーチ風味のカスタードクリーム、フレッシュのイチゴ、レモンのエスプーマ、ピーチのゼリー、ピーチのキャビアとなります。レモンのパーツにはコールドコンフィ・レモンが、ピーチのパーツ(ピーチのキャビアを除く)にはコールドコンフィ・ピーチがそれぞれ使用されています。そしてこの上に、コールドコンフィ・レモンのソルベと、コールドコンフィ・ピーチのチュイールを飾り付けて完成となります。 個々のパーツにはSOSA社の機能性素材が使用されており、形状や食感などに様々な演出が施された一皿となりました。
筒状のクランチーを仕込む様子。オーブンで焼成後、生地の状態がやわらかいうちに手早く筒状に変形させていきます。
ピーチのキャビアはSOSAキャビアキットを使用します。アルギン酸ナトリウムを混ぜ合わせた溶液を塩化カルシウム溶液に粒状に落としてキャビア状ゼリーを作成。
ピーチのチュイールにはSOSAジェランガムを使用します。コールドコンフィに水と砂糖とジェランガムを加え、100℃程度の低温で乾燥焼きにします。
レモンのエスプーマにはSOSAプロエスプーマCOLDを添加。泡の状態が安定します。
パーツの組み立ても最終段階。指先に意識を集中して作品を完成させます。
完成した「Peach & lemon fusion」。小さな作品の中に様々な技術が盛り込まれた作品です。
ボンボン・クール・オランジュ Bonbon coeur d’orange
ボンボン・クール・オランジュ Bonbon coeur d’orange
5作品目はボンボンショコラの作品「Bonbon coeur d’orange(ボンボン・クール・オランジュ)」。
ボンボンの中は2層になっており、下の層はコールドコンフィ・オレンジを使用したダークチョコレートガナッシュ、上の層はコールドコンフィ・ビターオレンジとキャラメルを合わせたソースという構成。どちらの層にもソミュール・トリプルセックで気品ある優雅な風味をプラスしています。
テンパリングを行うステファン氏。ステファン氏は作業性に優れるシーディング法でテンパリングをすることが多いとの事。
「デカダンス ドュ ショコラ」でも腕を振るうステファン氏にとって、ボンボンの仕込みは馴れたもの。流れるように作業が進められていきます。
今回のデモンストレーションでは、転写シートを用いたボンボンと、パールパウダーと色素を用いたボンボンの2種類を披露。
マカロン・ローズ Macaron rose
マカロン・ローズ Macaron rose
6品目は「Macaron rose(マカロン・ローズ)」、その作品名の通り、ローズ風味のマカロンです。
デモンストレーションの中で、マカロン作りは温度と比重が大切というステファン氏。温度はアーモンドプードルと合わせた時に約30℃程度、比重は水に対して85%がステファン氏にとってベストなタイミングという事でした。サンド用のバタークリームにはコールドコンフィ・ローズを使用。アングレーズをベースとしてバターとコールドコンフィを加え、最後にイタリアンメレンゲと合わせます。
マカロナージュを行うステファン氏。比重を意識しながら生地の状態をコントロールしていきます。
絞り終えた後は表面を乾燥させてから焼成を行います。
サンド用のバタークリームにはコールドコンフィ・ローズを加えます。
アイスクリーム・ソルベ&ギフトゼリー Ice cream・Sorbet&Gifts jelly
アイスクリーム・ソルベ&ギフトゼリー Ice cream・Sorbet&Gifts jelly
講習会の最後には、コールドコンフィを使用したアイスクリーム・ソルベとギフト用ゼリーの解説が行われました。
コールドコンフィはフルーツの風味と共に果肉感もアクセントとして加えることが出来る素材なので、アイスクリームやソルベとの組み合わせは大変有効的な使用方法といえます。ゼリーに使用した場合は、果肉の繊維質が感じられる独特なゼリーに仕上がります。
ステファン・ヴュー氏
株式会社スイーツ・シークレッツ エグゼクティブシェフ
1998年、仏デザートコンクールのジュニア部門で優勝。「リシャール・クタンソー」、「ギィ・サヴォワ」といった名だたるレストランで修行を積む。味も厳しさも一流のレストランで修行後、2001年にピエール・エルメ氏に弟子入り。エルメブランドの日本進出の一員として来日。
2003年、資生堂に活躍の場を移し、資生堂パーラーを指揮。 2006年9月より、(株)グローバルダイニングのエグゼクティブ・パティシエとして、レストラン、カフェのスイーツ部門、チョコレート専門店「デカダンス ドュ ショコラ」の指揮を担う。 2009年「食べた人を毎日幸せにする」をテーマにした、デカダンス ドゥ ショコラのカジュアルライン「デカダンス ドゥ ショコラ Tous les jours」をオープン。リング状のシュー生地に様々なフレーバーのクリームを詰めたドーナッツ型スイーツ専門店「CHoux Cring」が表参道、2店舗目を池袋Echikaにオープン。新たなヒット商品を次々に生み出す。
2010年10月スイーツシークレッツ設立。デモンストレーター、コンサルタントとして活躍の場を製菓業界全体にシフトし幅広く活動。

【ステファン・ヴュー氏の講習会レポート】
■ SOSA SUMMER DEMONSTRATION 2010
■ ミッシェル・クルイゼル講習会2010
■ SOSA SUMMER DEMONSTRATION 2011 「SUMMER COCKTAIL」
■ ミッシェル・クルイゼル講習会2011
■ ミッシェルクルイゼル デモンストレーション2011
■ SOSAアシェットデセール講習会2012
■ ミッシェルクルイゼル勉強会2013
■ SOSAデモンストレーション2013
 
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