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ニナのケーキワールド主催クリスマス講習会
和泉光一シェフ&林正明シェフ
ニナのケーキワールド主催クリスマス講習会

 

ネット上のお菓子屋さん情報と言えば、圧倒的な情報量と検索のしやすさなどで定評のある「ニナのケーキワールド」さん。今をときめく若手精鋭シェフ2人によるコラボ講習会を開催 するとのこと。

 

メールマガジンやサイトでそのお知らせを拝見していましたが、縁あって、材料協賛をすることになり、TFOODSスタッフもお邪魔してきました。

講習会の内容は、ニナのケーキワールドさんにお任せするとして、TFOODSの視点で、講習会で使った材料の紹介とシェフの想いを伝えるレポートに仕上げます。

 

ニナのケーキワールド クリスマスパーティー2009の模様は、こちらから。

        

講習会とは「お菓子を通しての人と人とのつながり」。お取引様を始め弊社ユーザー様とも思いがけずお会いすることが出来、大いに刺激を受けたTFOODSスタッフは、こだわり材料(ショコラ)と道具(フレキシパット)を使った講習会をやろう!と企画して、帰ってきたのでした。(この様子はヴァレンタイン講習会(2010年2月開催予定)に続きます)

 

 

 
開催日
  2009年12月9日(水)
講師
  和泉光一シェフ&林正明シェフ
主催
  ニナのケーキワールド
会場
  ドーバー洋酒貿易株式会社 講習会場
 
 
 
家庭で作れるワンランク上のクリスマスケーキ、というコンセプトで行われたデモンストレーション。林シェフは、スポンジケーキを使った苺のデコレーションケーキを担当。

  和泉シェフは、オペラをブッシュ・ド・ノエルにアレンジしたケーキを担当。

  デモンストレーションの後は、半分に仕切られていた会場がオープンになり、試食会場へ。ドーバー洋酒貿易さんより、トックブランシュを使ったノンアルコールドリンクがふるまわれ、丸テーブルで、試食のケーキを頂く至福のひと時でした。

 
 
デモンストレーションのみで終わらないのがこのクリスマス講習会。協賛企業からのプレゼンテーションの後、クリスマスパーティー会場と化したスペースで、二人のシェフから、素敵なアシェット・デセールが!

  トンカ豆を使ったプティ・ガトーにピスタチオを使ったケーキ。

  そして、今話題のピューレを固めてスフェリフィケーションさせた球体もスプーンにのせられ、和泉シェフからゲルを突いてソースをとろんと出してケーキと共に味わってください、との説明が・・・

 
 
続いてシェフ2人とお客様の質疑応答タイム。今回の講習内容に限らず、お菓子とお酒の相性や、過去のレシピに関してなど様々な角度から鋭い質問が飛び交っていました。ひと通りの質問が出揃うと、ニナさんから、事前にとったアンケート内容を抜粋した質問コーナーに。

  そして、最も関心が高かったことは、もちろん・・・「お二人のお店は?」「決まったらニナさんで報告しますよ!」のお言葉にお客様も関係者も期待を膨らませて閉会となりました。

  シェフ2人が、出口でお見送り。サンタ柄のかわいい手提げに入ったシェフお手製の焼き菓子がお土産に頂けました。まるで披露宴の帰りのように一人ずつ手渡しされたお土産を片手に、「お腹いっぱい胸いっぱい」幸せなひと時を過ごしたクリスマスパーティーでした。

 

和泉シェフのこだわり!


オペラをブッシュ・ド・ノエルに仕立てた和泉シェフ。基本の生地は、ビスキュイ・ジョコンド。ポイントは、フレシキパットで焼く。これまでの ジョコンドは、フレンチ鉄板+シルパットが常識、でしたが、巻くにはカリっとしてしまいます。フレキシパットなら、ロールにするのに最適。ジョコンドのメレンゲは、やわらかく立て、夏場は乾燥卵白を入れるそうです。 逆に冬場は、乾燥卵白を入れてしまうと、固くなりがちなので、酸(クレームドタータや酒石酸など)を入れるそうです。


材料のこだわりは、冷凍卵白。飾りに使ったマカロンの仕込みにも凍結卵白(製菓用)を使用。「こだわりのタマゴを割卵で使うこともいいことではあるけど、一年を通しての安定性がない、だから、何千個、何万個というタマゴから日々常に安定した凍結卵を作って提供してくれるメーカーのものを使っています」 なるほど・・・温度管理に細かな指針を持つ和泉シェフならではのお言葉。卵白は、カスター炊くと余る傾向にあるから、余剰で使うのはシフォンケーキくらい? マカロンやダクワーズ、フィナンシェの卵白のために凍結卵白を使うことは、あまり考えたことがありませんでした。お客様の「それは使ってみたいですね!」という熱い想いが伝わり、これまで業務用1800サイズのご用意しかありませんでしたが、500袋 タイプを取り扱い始めました。気軽に使えるサイズなので、試作にも是非ご利用を。


サンド、ナッペ用クリームは、クレームオブール。バタクリと聞いて引く方もいらっしゃるかもしれせんが・・・美味しいバターを使って、イタリアンメレンゲでふわりと仕上げたバタークリーム、 実はとっても美味しいのです。ここでも和泉シェフは凍結卵白でイタメレ作り。118℃のシロップを準備し、メレンゲがしっかりと空気を含み30℃になったら、21℃のバターに加え、 さらにしっかりとたくさんのエアーを入れていく。この全てにおいて計算つくされた作業が美味しいクレームオブールを創りだします。

             

今回、バニラの香りは、さやものではなくナリヅカコーポレーションのJUPEバニラシーズペーストを使用。カスターを炊いたり、牛乳で煮だすシーンには、さやごとバニラビーンズの真価が発揮されますが、クレームオブールには、粒粒がまんべんなく入ったペーストを使った方が、効果的。材料のセレクトが適材適所で、目からうろこのお話ばかりでした。


 

林シェフのこだわり!


いちごのデコレーションケーキ、という基本中の基本ケーキをデモンストレーションした林シェフ。一般の方への講習は初めてということでしたが、進めていくうちに、たくさんの こだわりを伺うことが出来ました。ジェノワーズは、クリスマスらしくリッチテイストに仕上げるためアーモンドプードルを使用。アマンドの油脂がしっとしとした仕上げになるとのこと。薄力粉とアーモンドプードルは 直前にふるう。一人で仕込むときは、粉あわせを3回に分けてする。溶かしバターは、生地の一部をとってから加え、元の生地に戻す。そして焼きあがった生地は、1.2cm厚3枚にスライスし 底の焼面を取ることが大切。表面は取っても、底は取ったことがなかったです、メモメモ・・・なるべく余計なものは入れたくない、というシェフの想いからアンビベはなし。もしするなら、 オレンジ系のお酒かな?とソミュールを勧めていらっしゃいました。


クレームシャンティは、グラニュー糖8%の加糖。林シェフいわく、加糖10%で洋酒添加の方が、扱いはしやすくなる、とのことでした。 サンド用のクリームは固めに泡立て、ナッペはゆるめ。ナッペは下塗り1回した方がよりキレイに仕上がるとのこと。大切に作る1台だからこそ、ポイントをおさえて作ると仕上がりに差が出ますね。 サイドのナッペで表面に出た角は、慣れないうちは1cmずつでもいいから細かく取ること。これは、斬新でした。ずっと長めのパレットナイフで大きく3回くらいで取るのがステータス?? だと思っていました。ちなみに自家用クリスマスケーキで今回の林シェフのエッセンスを取り入れて細かく検証して作成したデコは、それは、それは、とても素敵に仕上がりました。 この講習会のコンセプト「ワンランク上の」「おうちでもプロが作ったみたいに」が実践出来ました。


和泉シェフはフレンチスタイルのマカロンをノエルにデコレしましたが、林シェフは、ココナッツを使った真っ白なムラングココを飾り用に作りました。捨て釜で6時間かけて作るとのことで、 家庭のオーブンだと80℃で丸1日くらいかな、とおっしゃっていましたが、1cmの棒状に作られたムラングは、デコレされると高さも出て、砕いたものはサイドに貼り付け、「見た目もキレイだし サイドがうまくナッペ出来てなくてもごまかしになりますよ」と、これまでの経験をふまえた体験談をお話頂けました。デコレーションは、大胆に、楽しく、そして、ケーキ以外にも お皿やテーブルまわりもしっかりデコレしていく。お皿には、プラスチックシートにノエルの文字を切り抜いたもので、ステンシル状に文字を描き、高さを気にせず、持ち帰りを気にせず 自由に伸び伸びと飾られたケーキは、本当に夢いっぱいの仕上がりでした。


林シェフからは、ケーキの上手なカットの仕方も伝授して頂き、生デコは波刃でカットでしょう、という固定観念を覆す「牛刀で大丈夫ですよ」発言。重要なことは、湯を用意して、ナイフを よくあたためること。三角に切り分けられ、苺の断面が美しい素晴らしいカット面でした。


 

和泉光一シェフ

和泉光一シェフ

 

WPTC2006/2008出場、インターナショナルペストリーコンサルタント。日本菓子専門学校卒業後、「成城アルプス」での勤務を経て、大阪「花とお菓子の工房フランシーズ」スーシェフに就任。 2000年「サロン・ド・テ・スリジェ」のシェフ・パティシエを9年間勤め、2009年退職。現在インターナショナルペストリーコンサルタントとして活動する。

 

林正明シェフ

林正明シェフ

 

WPTC2008出場、インターナショナルペストリーコンサルタント。東京製菓学校卒業後、都内洋菓子店で修行。その後、東京台場のホテル・グランパシフィック・メリディアンへ。アシェットデセールや細工菓子など、ホテルならではの技術を修得。 2001年スーシェフとして氷川会館へ。 この頃から自らの技術を高めるためにコンクールに挑戦、多数の入賞を果たす。2004年氷川会館シェフパティシエに就任。

 
 

 

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