いちごのデコレーションケーキ、という基本中の基本ケーキをデモンストレーションした林シェフ。一般の方への講習は初めてということでしたが、進めていくうちに、たくさんの
こだわりを伺うことが出来ました。ジェノワーズは、クリスマスらしくリッチテイストに仕上げるためアーモンドプードルを使用。アマンドの油脂がしっとしとした仕上げになるとのこと。薄力粉とアーモンドプードルは
直前にふるう。一人で仕込むときは、粉あわせを3回に分けてする。溶かしバターは、生地の一部をとってから加え、元の生地に戻す。そして焼きあがった生地は、1.2cm厚3枚にスライスし
底の焼面を取ることが大切。表面は取っても、底は取ったことがなかったです、メモメモ・・・なるべく余計なものは入れたくない、というシェフの想いからアンビベはなし。もしするなら、
オレンジ系のお酒かな?とソミュールを勧めていらっしゃいました。
クレームシャンティは、グラニュー糖8%の加糖。林シェフいわく、加糖10%で洋酒添加の方が、扱いはしやすくなる、とのことでした。
サンド用のクリームは固めに泡立て、ナッペはゆるめ。ナッペは下塗り1回した方がよりキレイに仕上がるとのこと。大切に作る1台だからこそ、ポイントをおさえて作ると仕上がりに差が出ますね。
サイドのナッペで表面に出た角は、慣れないうちは1cmずつでもいいから細かく取ること。これは、斬新でした。ずっと長めのパレットナイフで大きく3回くらいで取るのがステータス??
だと思っていました。ちなみに自家用クリスマスケーキで今回の林シェフのエッセンスを取り入れて細かく検証して作成したデコは、それは、それは、とても素敵に仕上がりました。
この講習会のコンセプト「ワンランク上の」「おうちでもプロが作ったみたいに」が実践出来ました。
和泉シェフはフレンチスタイルのマカロンをノエルにデコレしましたが、林シェフは、ココナッツを使った真っ白なムラングココを飾り用に作りました。捨て釜で6時間かけて作るとのことで、
家庭のオーブンだと80℃で丸1日くらいかな、とおっしゃっていましたが、1cmの棒状に作られたムラングは、デコレされると高さも出て、砕いたものはサイドに貼り付け、「見た目もキレイだし
サイドがうまくナッペ出来てなくてもごまかしになりますよ」と、これまでの経験をふまえた体験談をお話頂けました。デコレーションは、大胆に、楽しく、そして、ケーキ以外にも
お皿やテーブルまわりもしっかりデコレしていく。お皿には、プラスチックシートにノエルの文字を切り抜いたもので、ステンシル状に文字を描き、高さを気にせず、持ち帰りを気にせず
自由に伸び伸びと飾られたケーキは、本当に夢いっぱいの仕上がりでした。
林シェフからは、ケーキの上手なカットの仕方も伝授して頂き、生デコは波刃でカットでしょう、という固定観念を覆す「牛刀で大丈夫ですよ」発言。重要なことは、湯を用意して、ナイフを
よくあたためること。三角に切り分けられ、苺の断面が美しい素晴らしいカット面でした。
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