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岡村尚之シェフ講習会
「パティスリー・スリール」 岡村尚之シェフ
第9回 Sweets Please 講習会

 

洋菓子業界の“友達の輪”つながりでパティシエが登場するSweets Pleaseの講習会。11月に行なわれた第9回目は、「ル・ガリュウM」丸山正勝シェフの紹介で、「パティスリー・スリール」岡村尚之シェフが講師を務めました。

講習会では秋から冬に向けた3品をご紹介。アシェットデセール形式で愉しんでいただく志向です。

 

1品目は、ダクワーズ生地に栗のババロワをあわせた「コロブリエール」。ババロワの中にも刻んだ栗がたっぷり入った、栗好きにはたまらない一品です。コロブリエール産マロンクリームの美味しさにちなんだ命名だそう。

2品目はクラシックタイプの「ガトーショコラ」。横がへこまない! というのが最大のポイントです。そのポイントを熱く、熱心に語ってくれた岡村シェフ。 以前、お話を伺ったときも、シンプルなものこそ工程を大事にしているとおっしゃっていましたが、それがすごくよく現れているお菓子だと思います。下の写真にそのポイントをまとめたのでぜひご覧下さい。

3品目は「ショコラバニーユ」。ふんわりショコラムースに冷たいクリームブリュレが隠れています。さらに、ノワゼット風味のサクサクした板チョコが仕込まれていて、 「ふわっ、ひやっ、サクッ!」が素晴らしくマッチしたデセールでした。

 

今回は、生地からすべてその場で作ったものを提供するスタイルだったため、焼き上がり時間や仕上がりを意識した、緊張感・臨場感あふれる作業を拝見することができました。 目は口ほどにものを言う…ということわざがありますが、岡村シェフの作業、作品はまさにそんな言葉がぴったり。レストラン・ロオジエで製菓長を務めた経験をもつ、シェフならではの『おもてなしの時間』を感じるひとときでした。

 

 
開催日
  2009年11月6日(金)
講師
  五本木 「パティスリー・スリール」 岡村尚之シェフ
主催
  Sweets Please」 小松崎喜美子さん
会場
  ドーバー洋酒貿易梶@講習会場
 
 
 
まずは栗のババロワ「コロブリエール」から。南仏の栗産地・コロブリエール村にちなんで命名したそう。刻んだ栗の甘露煮がたっぷり。

  ババロワマロンにはサバトン・マロンペーストと、コロブリエール産マロンクリームを同量で使用し、冷めたらネグリタラムの香りをプラス。

  ダクワーズ生地にババロワマロンを流し固めてカット。仕上げはマロンのシャンティをふんわり絞ります。

 
 
コロブリエール」。ふわふわのマロンシャンティの下に、栗の風味豊かなババロワとダクワーズ。栗の粒々が食感のアクセントに。

  2品目は横がへこまない「ガトーショコラ」。ポイント1。チョコレートに沸騰した生クリームを入れ、じわじわ溶けるまで触らないこと。

  ポイント2。卵白はツノがたつ前の、たら〜んとなるくらいに泡立てること。

 
 
ポイント3。メレンゲとあわせるときの温度は50℃。一番失敗がないのがこの温度だと言います。

  ポイント4。焼き上がったらすぐに上から落とし、ショックを与えること。中のエアーを一瞬で抜きます。

  型からはずすとこのような感じです。上部も横も、まっすぐに焼き上がりました。

 
 
横がへこまない、クラシックタイプの「ガトーショコラ」。シェフの、シンプルなお菓子への思い入れが伝わる一品でした。

  3品目は「ショコラヴァニーユ」。まず、クリームブリュレを作ります。卵黄は白っぽくなるまで混ぜると卵臭さが消えます。

  シノワで濾した後にできる気泡は、紙でしっかり取り除きます。気泡をちゃんと取らないと火の通りが悪くなるのです。ひと手間が大切。

 
 
焼き上がり後はすぐに冷凍。はじめて使うオーブンなので、焼き上がりの状態は念入りにチェック。どの工程でも鋭いチェックが見られました。

  土台のダクワーズ生地。こちらも焼成後は急速冷凍。

  ミルクチョコレートのショコラムース。お店では森永やオペラ、ヴァローナのチョコレートを使い分けているそうです。

 
 
セルクルにショコラムース、クリームブリュレ、そしてロイヤルティーヌを入れたサクサクのチョコを割って散らします。

  24時間寝かせた仕上げ用のシャンティショコラ。約30年前のルノートルのレシピが基礎になっています。これを泡立てて使います。

  サントノーレで気品高く仕上げた「ショコラバニーユ」。ダクワーズの上にミルクチョコムース、中に冷たいクリームブリュレが隠れています。

 
 
「ショコラバニーユ」試食用カット。真ん中の茶色く見えるのは、サクサクのチョコ。これが、食べたときに、嬉しい美味しさを演出してくれます。

  「ショコラバニーユ」をカットしたら、スピーディーに試食の準備へ。アシェット・デセールの醍醐味です。

  スイーツ3点。「ショコラバニーユ」は、冷たさや食感、口あたりに至るまで計算された素晴らしい仕上がり。お持ち帰りでは味わえません。

 

岡村尚之シェフ

「パティスリー・スリール」 岡村尚之シェフ

 

1963年新潟県生まれ。ルノートル、銀座資生堂パーラーに勤務。 銀座資生堂パーラー時代には「ジャン・ポール・エヴァン」や「オテル・ド・クリヨン」などフランス修行を経験。 帰国後は銀座資生堂パーラー製菓長、レストラン・ロオジエ製菓長を歴任。2005年5月「パティスリー・スリール」オープン。 ジャパン・ケーキショー金賞他受賞歴多数。

 

  「パティスリー・スリール」

住所 : 東京都目黒区五本木2−40−8

営業時間 : 10時〜20時30分  定休日 : 水曜日

 

 

 

 

 

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