2018年9月6日、8月に行われた東京講習会に引き続き、株式会社エム・シー・フーズの主催による「マルゥチョコレート講習会(大阪)」が開催されました。
大阪での講習会も東京と同じく、昨年11月にエム・シー・フーズの呼びかけにより行われたマルゥチョコレートのベトナム視察ツアーに参加したメンバーが講師を務めます。大阪講習会の講師は、元・名古屋マリオットアソシアホテルの製菓料理長で現在はクラブハリエやアンリ・シャルパンティエのテクニカル・アドバイザーを務める松島義典氏、株式会社シュゼットでグランシェフを勤める駒居崇宏氏、欧風創作菓子メゾン・ド・キタガワのオーナーシェフである北川博善氏の3名。デモンストレーションでは松島氏が1品、駒居氏と北川氏が共に2品を担当。 さらに大阪講習会では、マルゥの創業者であるビンセント氏とサミュエル氏の2人が講習会の開催に合わせて来日。3氏によるデモンストレーションに加えて、創業者自らマルゥチョコレートについてのレクチャーを行います。 しかしながら、講習会の前々日には台風21号が近畿地方に上陸。創業者の2人は台風による関西空港閉鎖の影響を受けて、当日の朝に羽田空港を経由して新幹線で会場入りするというアクシデントが発生。会場周辺でも折れた街路樹や外壁が破損した建物が所々で見受けられるなど、台風の爪痕が感じられる状況でしたが、なんとか予定通りの開催に至りました。 『突然のアクシデントに見舞われたが、自分たちのチョコレートがどのように姿を変えるのか楽しみにしている。』と講習会の冒頭で挨拶をするビンセント氏とサミュエル氏。そのクオリティの高さから、海外の有名パティシエやショコレティエからも愛用されているマルゥチョコレートを、西日本を代表するパティシエがどのような作品に仕上げるのか。受講者と共に創業者の2人もデモンストレーションに注目。関西での講習会らしく陽気な雰囲気の中、講師である3氏各々の個性と共にマルゥチョコレートの魅力が表現された講習会となりました。
講習会のオープニングを飾る最初の作品は松島義典氏が担当します。
松島氏は、名古屋マリオットアソシアホテルの製菓料理長として17年間に渡り、同ホテルの製菓部門を支えた日本を代表するパティシエ。製菓コンクールでの受賞歴も数多く、1997年マンダリン・ナポレオン国際大会第2位、2000年ジャパン・ケーキショー「味と技のピエスモンテ」大会会長賞、2003年クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー「アントルメ・グラッセ/氷彫刻部門」第1位(「団体部門」第2位)など、国内外を含めて華々しい実績を誇ります。現在はクラブハリエやアンリ・シャルパンティエのテクニカル・アドバイザーなど、次世代のパティシエ達に技術指導を行いながら、日本の洋菓子業界に尽力しています。 松島氏が担当する「Ben Tre Coconuts Orange(ベンチェ・ココナッツ・オランジュ)」は、ベンチェ・ココナッツミルク55%(マルゥ)のムースをメインにしたアントルメ。底生地にはビスキュイ・マカロン、センターにはベンチェ・ココナッツミルク55%のクレーム・ショコラとオレンジのシブーストがそれぞれ配置されています。 メインとなるベンチェ・ココナッツミルク55%のムースはパータ・ボンブベース。ふわっと軽い口当たりながら、濃厚な味わいが特徴。一方、センターに配置されているクレーム・ショコラはアングレーズベース。こちらは軽い口当たりのムースとは対照的に滑らかな食感に仕上げています。同じくセンターに配置されているオレンジのシブーストは、クレーム・パティシエールにメレンゲを合わせたスタンダードな製法で仕込みます。オレンジ果汁、オレンジ果皮、グランマルニエ、コアントローを配合してオレンジの風味を演出。冷やし固めた後は上面をバーナーでキャラメリゼしてから他のパーツとモンタージュしています。 デモンストレーションの中では、マルゥチョコレートのベトナム視察ツアーの愉快なエピソードと共に、職人としての在り方を受講者に語りかける松島氏。『多くのケーキ職人は他者が作るケーキを”甘過ぎる”とか”食感が悪い”とか否定的な部分にばかり注目してしまう。自分も若い時はそうだった。しかしその考え方では成長出来ない。否定的では無く、肯定的な部分を探して吸収し、自分に活かすことが大切。』というメッセージは、洋菓子業界での出会いを大切にして、自身を成長させてきた松島氏だからこそ伝えられる深みのある言葉となりました。 最初の作品は松島義典氏が担当。愉快なエピソードと共に職人としての在り方を指南。
ビスキュイ・マカロンの仕込み風景。アシスタントは株式会社シュゼットの西山未来氏。
底生地となるビスキュイ・マカロンは円形に絞ってから粉糖を振りかけて焼成。
センターに配置するクレーム・ショコラ。アングレーズをベースに各材料をハンドブレンダーで乳化。
同じくセンターに配置するシブースト。クレーム・ショコラの上に重ねてから上面をキャラメリゼ。
全てのパーツが揃った所でモンタージュ。ベンチェ・ココナッツミルク55%のムースがメイン。
冷やし固めた後はグラッサージュでコーティングし、飾り用チョコレートをシンプルに飾り付けて完成。
試食用のベンチェ・ココナッツ・オランジュ。マルゥチョコレートの美味しさをシンプルに表現。
松島氏によるデモンストレーションの後には、この日の講習会に合わせて来日したマルゥの創業者であるビンセント氏とサミュエル氏によるマルゥチョコレートのレクチャーが行われました。
マルゥは、ビンセント氏とサミュエル氏がサイゴンを旅する中で偶然に知り合ったことから誕生したベトナム初のビーン・トゥ・バー・チョコレートブランド。ベトナムのカカオ農家が丁寧に育てた良質なカカオ豆と、ベトナム国内で栽培されているサトウキビから採れた砂糖のみを原料にして、世界でも数少ない「カカオの産地でチョコレート製造を手掛けるメーカー」としてピュアなチョコレート作りを行っています。 マルゥがチョコレート作りを行うにあたり、最も大切にしているのが“カカオ農家との信頼関係”です。ビンセント氏とサミュエル氏は、カカオ豆を仕入れる際には必ずカカオ農家の下へ自ら足を運び、お互いに顔を合わせて買い付けを行います。ベトナム国内とはいえカカオ農園に自ら足を運ぶのは大変な重労働です。舗装のされていない道無き道を移動して農園に辿りついても、希望する高品質なカカオ豆が手に入らないこともあるでしょう。それでも人間同士の繋がりを大切にして信頼関係を築くことが、結果として高品質なカカオ豆を手に入れることに結びついているのです。 またカカオ農家への支援活動も積極的に行っています。カカオ豆の栽培から収穫までのアドバイスや農具の寄付はもちろん、高品質なカカオ豆に対しては一般的な市場価格よりも高い価格を付けて買い取るなど、カカオ農家のモチベーションを高める努力も行っています。さらにカカオ豆が不作なシーズンは、通常時よりも価格を上げて買い取り、不作による貧困や廃業が起こらないようにも努めています。 カカオ農家との信頼関係と共に、マルゥでは“味・香りへのこだわり”も非常に大切にしています。特にチョコレートの仕上がりを大きく左右する「発酵」に対しては徹底的な品質管理を実施しており、発酵後のカカオ豆は一袋ずつ品質チェックを行います。品質チェックは「@袋から直接香りを嗅ぐ」、「A半分にカットして中身の色を確認」、「B中身のテイスティング」の3項目。このチェックを一袋ずつ行う訳ですから、その労力は計り知れませんが、高品質なチョコレートを作る為には妥協を許しません。 カカオ豆の生産量は世界全体で年間約300万トン。それに対してベトナムのカカオ豆の生産量はわずかに約3000トン。世界全体の0.1%程度の生産量しかないベトナムのカカオ豆で高品質なチョコレート作りを行うのは至難の業。しかしながら、“カカオ農家との信頼関係”と“味・香りへのこだわり”を大切にして作られたマルゥチョコレートのクオリティの高さは、ビーン・トゥ・バー・チョコレートという領域を超え、現在では製菓用チョコレートとしても展開。既にミッシェル・ルー氏やパトリック・ロジェ氏といった世界的な料理人、パティシエ、ショコラティエが愛用していることからも、マルゥチョコレートの今後の更なる飛躍が期待されます。 マルゥの創業者であるビンセント氏(左)とサミュエル氏(右)。講習会に合わせて来日。
スライドを交えながら受講者に分かりやすくマルゥチョコレートのこだわりをレクチャー。
途中、松島氏やマルコ氏(エム・シー・フーズ)なども参加して会場を盛り上げます。
創業者によるレクチャーという貴重な体験。受講者も真剣な眼差しでマルゥチョコレートについて聴講。
ビンセント氏とサミュエル氏によるマルゥチョコレートのレクチャーの後は、昼食を挟んでから午後のデモンストレーションがスタート。2作品目と3作品目は駒居崇宏氏が担当します。
駒居氏は、百貨店を中心に全国80店を超える店舗数を誇る洋菓子ブランド「アンリ・シャルパンティエ」を展開する株式会社シュゼットのグランシェフを勤める関西を代表するパティシエ。内海杯技術コンクールや西日本洋菓子コンテストなど、数々の製菓コンクールで輝かしい受賞歴を誇り、2016年にはクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー国内予選「アントルメ・ショコラ/アメ細工部門」で見事優勝。日本代表として翌年に開催されたフランス本戦では銀賞(第2位)を獲得し、洋菓子業界にその名を轟かせました。 駒居氏が担当する2作品目は「Arôme du Vietnam(ベトナムの香り)」。デモンストレーションの冒頭で駒居氏は『世界中、どの国でも空港を出るとその国特有の香りが感じられる。この作品はマルゥチョコレート視察ツアーで感じた“ベトナムの香り”をテーマにしている。』と説明。駒居氏が“ベトナムの香り”をテーマに導き出した素材は「コリアンダー(パクチー)」。さすがにフレッシュの葉をお菓子に用いることは難しい為、コリアンダーシードの香りでベトナムを演出し、そこにドンナイ72%(マルゥ)とパイナップルを組み合わせてプティガトーに仕上げています。 本作品を構成するパーツは、ドンナイ72%のムース、パイナップルのコンフィ、ブラウニー生地の3種類。“ベトナムの香り”というテーマから導き出したコリアンダーシードは、ムースを乳化する生クリームにアンフュゼして使用。ムースとブラウニー生地の濃厚なチョコレートの味わいを、パイナップルのコンフィとコリアンダーシードの香りで爽やかにまとめています。 昼食を挟んで午後のデモンストレーションがスタート。2作品目と3作品目は駒居崇宏氏が担当。
駒居氏とアシスタントの西山氏は同じ会社に所属。息の合ったコンビネーションで作業を行います。
こちらは焼成したブラウニー生地。カードルサイズにカットして底とセンターに配置。
底に配置したブラウニー生地の上にはパイナップルのコンフィを重ねています。
コンフィの上にはセンター用のブラウニー生地とドンナイ72%のムースをカードルのすり切りまで流します。
冷やし固めた後、長方形にカットしてから飾り用チョコレートでデコレーション。
コリアンダーシードで“ベトナムの香り”を表現したプティガトー。濃厚な味わい。
3作品目は「Gateau Ben Tre(ガトー・ベンチェ)」。“ベトナムの香り”をテーマにした2作品目に対して、3作品目は“ベトナムの思い出”がテーマ。本作品について『ベトナムで飲んだオレンジジュースがメッチャ美味かったので、オレンジを使ったケーキを考案した。』と語る駒居氏。ベトナムでの思い出の味となったオレンジにベンチェ78%(マルゥ)を組み合わせてケイク菓子に仕上げています。
メインとなるケイク生地は、シュガーバッター法でシンプルに仕込みます。粉類には薄力粉の約20%をローストフラワーに置き換えて配合。ローストフラワーは小麦粉を焙焼加工したもので、グルテンが失活しているので焼き上がりの食感が向上する上、風味も豊かに仕上がるということで、駒居氏は他の生地を作る際にも愛用しているということです。 仕込んだケイク生地の中にはセンターとして、ベンチェ78%のガナッシュとオレンジのコンフィが入ります。ベンチェ78%のガナッシュは、ベンチェ78%に生クリーム、牛乳、糖類を加えて乳化したもので、ベンチェ78%の味わいをストレートに活かしたガナッシュです。オレンジのコンフィは、茹でこぼしてからフードプロセッサーにかけた欠けたオレンジに糖類を加えて煮詰めたもの。本来はベトナムで飲んだオレンジジュースに使われていた“果皮が緑色のオレンジ”でコンフィを作りたかったそうですが、残念ながら日本では手に入らなかったということで一般的なオレンジで代用。駒居氏を唸らせたベトナムのオレンジとはどんな味なのか、是非一度食してみたいものです。 駒居氏が担当した2作品目と3作品目に使われる飾り用チョコレートは、この日の講習会でアシスタントを務めて頂いた西山未来氏が担当。西山氏は、駒居氏と同じ株式会社シュゼットで働くパティシエールで、今年の3月に開催されたクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー日本国内予選の「アシエット・デセール/チョコレート細工部門」で優勝し、日本では初の女性代表の座を射止めた人物。来年開催されるフランス本戦を始め、今後の活躍が大変期待されています。 メインとなるケイク生地は卓上ミキサーを使用してシュガーバッター法でシンプルに仕込みます。
ガトー・ベンチェに使用する型はオリジナル。駒居氏の勤務先では型を制作する部署があるとの事。
ケイク生地の中にベンチェ78%のガナッシュとオレンジのコンフィを絞り入れてから焼成。
焼成後はアーモンドダイス入りのグラッサージュでコーティング。アーモンドダイスが食感のアクセント。
葉の形をした飾り用チョコレートとオレンジコンフィでシンプルにデコレーション。
ベトナムで飲んだオレンジジュースの美味しさから誕生した作品。“ベトナムの思い出”がテーマ。
駒居氏が担当した2作品目と3作品目の飾り用チョコレートはアシスタントの西山氏が実演。
女性初のクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー日本代表。フランス本戦での活躍が期待されます。
4作品目と5作品目は、欧風創作菓子メゾン・ド・キタガワのオーナーシェフである北川博善氏にバトンタッチ。
北川氏は、和菓子屋を営む家庭に生まれ育ち、最初は和菓子職人から職人としてのキャリアをスタート。20歳の時に洋菓子職人への憧れから、東京代官山シェ・リュイに就職。そして2000年、自身がオーナーシェフを務める欧風創作菓子メゾン・ド・キタガワを熊本市内にオープン。以降、事業を着実に拡大すると共に、県内外の製菓専門学校の非常勤講師、パティスリーコンサルティング、熊本県洋菓子協会副会長、洋菓子協会九州ブロック技術部会統括部長など、九州を中心とした洋菓子業界に尽力しています。 北川氏が担当する4作品目は「Saigon(サイゴン)」。この作品は、マルゥチョコレート視察ツアーで訪れたベトナムの様子をもとに考案されたもので、ベトナムでは世界一の輸出量を誇るカシューナッツや、シェードツリー(日陰樹)としてベトナム各所に栽培されているココナッツに、メコン64%(マルゥ)を組み合わせたタルトレットです。 土台となるタルト部分は、自家製のカシューナッツプードルとココナッツプードルに全卵、粉糖、バターを混ぜ合わせたアパレイユとシトロン・コンフィを、ココナッツ風味のパート・シュクレの中に入れて焼成したもの。このアパレイユは、ベトナム産の素材のみを使用したお菓子を提供するマルゥ直営カフェ「メゾン・マルゥ」で、現地で調達が困難なアーモンドプードルの代用としてカシューナッツプードルやココナッツプードルが使用されていた事にヒントを得て考案されたレシピです。 タルトの上にはメコン64%のムース・ショコラとクレーム・シトロンを重ねています。メコン64%のムース・ショコラは、レモングラスの香りをアンフュゼした牛乳で乳化したメコン64%に泡立てた生クリームを混ぜ合わせて仕込みます。メコン64%の味わいの中にほのかに感じられるレモングラスの香りが、シトロン・コンフィやクレーム・シトロンと共に爽やかさを演出。チョコレートを使用したタルトレットながら、さっぱりとした印象に仕上げています。 4作品目と5作品目は欧風創作菓子メゾン・ド・キタガワのオーナーシェフである北川博善氏が担当。
まずは土台となるタルト部分から。パート・シュクレにアパレイユとシトロン・コンフィを入れて焼成。
メコン64%のムース・ショコラはレモングラスで香り付けをした牛乳で乳化してからクリームと合わせます。
メコン64%のムース・ショコラの底には薄い円形に冷やし固めたクレーム・シトロンを配置。
冷やし固めたムース・ショコラはグラッサージュで上掛けを行ってからタルトの上に重ねます。
ケーキピックやココナッツプードルでシンプルにデコレーション。レモンの香りが爽やかなタルト。
5作品目は「SACHER MAROU(サッシェ・マルゥ)」。この作品について北川氏は『ティエンジャン70%(マルゥ)を食べた時、スパイシーな香りの中にアプリコットのニュアンスが感じられた。このニュアンスからチョコレートとアプリコットを使用した伝統的なオーストリア菓子であるザッハトルテが頭に浮かんだ。』と解説。作品名の「SACHER(サッシェ)」とはザッハのフランス語読みなので、本作品はマルゥ風ザッハトルテといったところでしょう。
メインとなるビスキュイ・サッシェは、糖類を加えてブランシールしたバターをベースに、ティエンジャン70%、卵黄、メレンゲ、小麦粉を加えて仕込みます。仕込んだ生地はシリコン型に流した後、上面にグリュエ・ド・カカオを振りかけてから焼成。ティエンジャン70%と共にグリュエ・ド・カカオが配合されている為、非常にしっかりしたカカオ風味が特徴的な生地に仕上げています。 焼成したビスキュイ・サッシェは、アプリコットブランデーをアンビバージュしてから、アプリコットのコンフィチュールを上面に絞ります。コンフィチュールまで絞った後は、グラズールで全体をコーティング。北川氏のグラズールは、フォンダンをベースにしてシロップとチョコレートを混ぜ合わせて仕込みます。チョコレートを煮詰めてから温度調整を行う一般的なグラズールの製法に比べて手軽ながら、砂糖の再結晶化による独特な食感が見事に再現されています。 メインとなるビスキュイ・サッシェはブランシールしたバターをベース各材料を混ぜ合わせて仕込みます。
仕込んだ生地はシリコン型に流した後、上面にグリュエ・ド・カカオを振りかけてから焼成。
焼き上げた生地はアプリコットブランデーをアンビバージュしてから上面にアプリコットのコンフィチュール。
仕上げとしてグラズールで全体をコーティング。北川氏のグラズールはフォンダンをベースに仕込みます。
試食用のサイゴン(左)とサッシェ・マルゥ(右)。伝統的な洋菓子の製法を用いて素材の良さを活かしています。
松島義典氏
高校卒業後、芦屋パティシエ・ドゥ・ミシェル、京都センチュリーホテル、大阪全日空ホテル・シェラトン、パティスリーフリアン、都ホテル大阪などの勤務を経て、1999年より名古屋マリオットアソシアホテルの製菓料理長に就任。17年に渡り、同ホテルの製菓部門を支える。仕事と共に様々な製菓コンクールに参加し、1997年マンダリン・ナポレオン国際大会第2位、2000年ジャパン・ケーキショー「味と技のピエスモンテ」大会会長賞、2003年クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー「アントルメ・グラッセ/氷彫刻部門」第1位(「団体部門」第2位)など輝かしい受賞歴を誇る。現在はクラブハリエやアンリ・シャルパンティエのテクニカル・アドバイザーを務める。
駒居崇宏氏
1995年より株式会社シュゼットに入社。2013年内海杯技術コンクールフランス国際コンクール国内予選銅賞、2013年西日本洋菓子コンテスト「味と技のピエスモンテ」連合会会長賞第2位、洋菓子フェスタin Kobeデコレーションケーキコンテスト「工芸菓子の部」優勝、2014年クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー国内予選「アントルメ・ショコラ/アメ細工部門」銀賞など、数々の製菓コンクールで輝かしい受賞歴を誇る。2016年には前大会に引き続きクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー国内予選「アントルメ・ショコラ/アメ細工部門」に再挑戦し、見事優勝。翌年に開催されたフランス本戦では銀賞(第2位)を獲得。
北川博善氏
日本菓子専門学校卒業後、東京代官山シェ・リュイにて修行。2000年、熊本市内にて自身がオーナーシェフを務める「欧風創作菓子メゾン・ド・キタガワ」をオープン。以降、店舗の移転・拡張、オンラインショップの開設、チョコレートルームのオーブン、カフェの新設など、着実に事業を拡大。オーナーシェフとしての活躍と共に、県内外の製菓専門学校の非常勤講師、パティスリーコンサルティング、熊本県洋菓子協会副会長、洋菓子協会九州ブロック技術部会統括部長など、九州を中心とした洋菓子業界に尽力する。
マルゥチョコレート
サイゴンを旅する中で偶然に知り合った若きフランス人、サミュエル氏(Samuel Maruta)とヴィンセント氏(Vinent Mourou)の2人が、ベトナムの良質なカカオの素晴らしさに魅せられたことにより誕生したチョコレートブランド。ベトナムのカカオ農家が丁寧に育てた良質なカカオ豆と、ベトナム国内で栽培されているサトウキビから採れた砂糖のみを原料にして、世界でも数少ない「カカオの産地でチョコレート製造を手掛けるメーカー」としてピュアなチョコレート作りを行う。元々はビーン・トゥ・バー・チョコレート製品のみだったが、製菓用チョコレートにも着手。現在は「メコン64%」、「ベンチェ・ココナッツミルク55%」、「ティエンジャン70%」、「ドンナイ72%」、「ベンチェ78%」の5アイテムが製菓用として製品化。
|
過去に開催された、講習会や教室の一覧ページ
|