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11月中旬、サンエイト貿易の所有するテストキッチンにて「ミッシェルクルイゼル社デモンストレーション2011」が開催されました。
今回の講師は、ミッシェルクルイゼル社の講習会ではお馴染み、アジア地区担当デモンストレーターであり「スイーツシークレッツ」エグゼクティブシェフであるステファン・ヴューシェフ。 ミッシェルクルイゼル社のチョコレートを贅沢に使用したボンボンショコラをはじめ、代表的なチョコレート菓子から皿盛りデザートまで幅広いメニューをご紹介いただきました。 さらに、「チョコレートを理解しよう」というテーマの元、ボンボンショコラの日持ちさせる方法やガナッシュを作る際の計算方法に関する講義や、受講者からの質問タイムも設けられ、技術のみならず深い知識も学ぶことが出来た充実の講習会となりました。
デモンストレーションラインナップ
![]() それぞれのチョコレートの持つ特徴が、ガナッシュに加工されるとどのように変化しているという事が大変良くわかり、受講者の方々も関心していました。 ![]() ![]() この仏手柑は果肉が無いので食材としてはあまり注目されることがありませんでしたが、魅力的な表皮の香りに目をつけたステファン氏が、今回のチョコレートと組み合わせる素材として取り入れました。 ボンボンの構造は、ケセットキャレノワールの下半分まで、仏手柑にキャップフリュイのポワールピューレとシトロンジョーンピューレを組み合わせたジャムを絞り、その上に仏手柑の表皮とリモンチェロを加えたカヤンベ・レ45%のガナッシュを流します。そして一晩寝かせ固めたのち、MCエリアンザ・レ35%でトランペして完成。 口に入れると、仏手柑のジャムとまろやかなガナッシュが絶妙なバランスで広がる、ステファン氏ならではの計算されたショコラでした。 ![]() ![]() MCケセットオーヴァルノワールの中にMCカヤンベ・レ45%、MCカヤンベ・ノワール72%、ヌガーペースト、生クリーム、転化糖、コアントローを合わせたガナッシュを絞り入れ、その上にキャップフリュイのフランボワーズピューレとシトロンジョーンヌピューレ、多種蜂蜜、MCエリアンザイヴォワールを使って作られたラズベリーソフトガナッシュを絞ります。 24時間休ませたらMCエリアンザノワールでトランペし、最後にSOSAラズベリークリスピーと砕いたヌガーを飾り付けて仕上げます。 ヌガー特有のねっちりとした食感の中に、ナッツの深い風味とラズベリーの程よい酸味が感じられるボンボンショコラとなりました。 ![]() ![]() 作り方は大変シンプルで、まずカオカ/ココアパウダーハイファット20-22%を使ったココア味のブリオッシュ生地を作ります。そのブリオッシュ生地に、ラム酒とオレンジフラワーウォーターを合わせたシロップをアンビベしたのち、表面にMCカヤンベ・ノワールを使用して作られたチョコレートアーモンドクリームを絞り、焼成して完成です。 表面はサクサクしていますが、中はしっとりモチモチで、ラム酒とオレンジフラワーウォーターが口の中にふわっと香る、素朴なお菓子でした。 ![]() ![]() メインとなるパーツには、MCクーペルレクタンギュレールノワールを使用し、中にチョコレートでコーティングしたアーモンドクランブル、SOSAジェルクレムCOLDを使用したラズベリークリーム、MCマンガロノワール65%で作られたラズベリーチョコレートムースをそれぞれ組み合わせて、最後に表面をピストレで仕上げます。 飾りには、SOSAキャビアキットを使用したラズベリーキャビア、SOSAエスプーマを使用して電子レンジで作られたヨーグルトスポンジケーキ、SOSAマルトセックを使用したピスタチオとホワイトチョコレートのクランブルと、化学的な要素を取り入れたSOSA社の新機能素材が随所に使用されました。 最後に付け合せとして、ラズベリーとレッドパプリカのソルベが添えられて完成。 皿盛りのデザートは、味以外にも配色・デザイン・アイデアなど多くの要素が問われる難しい料理ではありますが、それらの要素をステファン流にまとめた大変素晴らしい作品となりました。 ![]() ![]() ケーキ内部の層は、SOSAアルブミナとジンジャーコンフィを使用して仕上げたジンジャービスキュイを底台として、クランチプラリネ、塩キャラメルクリーム、松の実のキャラメリゼ、洋梨とマルコナアーモンドのマーマレードの順に形成されており、キャラメルチョコレートムースにはMCカヤンベ・レ45%を使用しております。 ジンジャービスキュイのスパイシーな辛みが全体の甘さ引き締め、クランチプラリネと松の実が食感のアクセントとなっております。味わいは大変濃厚で、「大人向けのガトー」といった作品でした。 ![]() ![]() スペイン産アーモンドプードル(マルコナ)を使用したパートシュクレに、BABBIヘーゼルナッツペーストとMCクルスティ―ヌを使用したクランチプラリネを敷き詰め、その上に、MCマンガロ・レ50%のガナッシュを流します。仕上げとして、フレッシュラズベリーの上にSOSAベジタブルゼラチンを使用したアプリコットソースのスフェリフィケーションとチョコレートを飾り付けて完成です。 ガナッシュにマンガロ・レを使用したのは、重くなりがちのタルトショコラを軽くする為。さらにリモンチェロを加えることで爽やかな風味もプラスします。 アプリコットソースの酸味とリモンチェロの香るガナッシュが全体をグッと引き締めた、爽やかな風味のタルトに仕上がりました。 ![]() MICHEL CLUIZELのチョコレートについて
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▼MICHEL CLUIZEL社とは
1948年、両親の元で最初のチョコレートを製造したミッシェル・クルイゼル。今日では、カカオ豆からチョコレートを一貫して製造する数少ないチョコレート企業となっています。MC社は、1997年以来、フェアトレードの精神のもと貴重なカカオ豆の生産者と共に歩み、発展し続けています。プランテーションシリーズはその象徴です。 ステファン・ヴュー氏
(スイーツシークレッツ エグゼクティヴシェフ/ MICHEL CLUIZEL社アジア地区担当デモンストレーター) ![]()
1998年、仏デザートコンクールのジュニア部門で優勝。「リシャール・クタンソー」、「ギィ・サヴォワ」といった名だたるレストランで修行を積む。味も厳しさも一流のレストランで修行後、2001年にピエール・エルメ氏に弟子入り。エルメブランドの日本進出の一員として来日。
2003年、資生堂に活躍の場を移し、資生堂パーラーを指揮。 2006年9月より、(株)グローバルダイニングのエグゼクティブ・パティシエとして、レストラン、カフェのスイーツ部門、チョコレート専門店「デカダンス ドュ ショコラ」の指揮を担う。 2009年「食べた人を毎日幸せにする」をテーマにした、デカダンス ドゥ ショコラのカジュアルライン「デカダンス ドゥ ショコラ "Tous les jours"」をオープン。リング状のシュー生地に様々なフレーバーのクリームを詰めたドーナッツ型スイーツ専門店「CHoux Cring」が表参道、2店舗目を池袋Echikaにオープン。新たなヒット商品を次々に生み出す。 2010年10月スイーツシークレッツ設立。デモンストレーター、コンサルタントとして活躍の場を製菓業界全体にシフトし幅広く活動。 ステファン・ヴュー氏 過去の講習会レポート
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過去に開催された、講習会や教室の一覧ページ
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