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ギエーム・コラール氏によるSOSAデモンストレーション2017
2017年11月1日(水)、洋菓子を中心とした様々な高級製菓原材料を取り扱うサンエイト貿易が主催する、SOSAテクニカルアドバイサーのギエーム・コラール氏によるSOSAデモンストレーション2017が行われました。

ギエーム氏によるSOSAデモンストレーションは、2年前の2015年にも2度開催されましたが、前菜からデザートまでコースメニューを意識した料理に合わせてSOSA商品の使い方を紹介する内容が大変好評を博し、再びの開催を希望するリクエストが多数寄せられたということで2年ぶりの開催に至りました。

2017年のデモンストレーションで作られた料理は、2015年と同じく前菜2品、魚料理1品、肉料理1品、デザート1品の全5品。今回も、SOSA商品の使い方をマスターしているテクニカルアドバイサーならではのテクニックを随所に取り入れた新感覚の料理を披露して頂きました。

開 催 日 2017年11月1日(水)
講 師 ギエーム・コラール氏
(SOSAテクニカルアドバイサー)
主 催 サンエイト貿易株式会社
SWEET CORN BLINY , HAZELNUT & FOIE EMULSION
1作品目は、スイートコーンのブリニの上にフォアグラとヘーゼルナッツのクリームを絞った前菜「SWEET CORN BLINY , HAZELNUT & FOIE EMULSION」です。

スイートコーンのブリニは、まずスイートコーンや生クリームなどの材料をフードプロセッサーにかけて裏漉したベース液に、アーモンドパウダー、薄力粉、アルブミナ(SOSA)、ベーキングパウダーを混ぜ合わせてアパレイユを作ります。次に、このアパレイユをエスプーマ用サイフォンに入れて熱したフライパンの上に絞り出し、両面を焼き上げてブリニの出来上がり。ポイントとなるのは、アルブミナとエスプーマ用サイフォンの組み合わせです。アルブミナは特殊な技術で精製された卵たんぱくで、様々な水分ベースをメレンゲにすることができる為、このブリニのような使い方をすることで、生地をメレンゲで浮かせたようなふんわりした状態に仕上げることができます。

ブリニの上に絞られているフォアグラとヘーゼルナッツのクリームは、優れた乳化力を誇るナチュルエミュル(SOSA)を使用して仕込みます。作り方は、ナチュルエミュルを混ぜ合わせた牛乳に、ヘーゼルナッツペースト(BABBI)と焼いたフォアグラを入れて、クリーム状になるまでハンドブレンダーにかけるだけ。とても簡単な作り方ですが、ナチュルエミュルの乳化力により、大変滑らかでクリーミーな状態に仕上がります。
スイートコーンのブリニはエスプーマ用サイフォンを使い、フライパンで両面焼き。
フォアグラとヘーゼルナッツのクリームは、ナチュルエミュルを添加して各材料を乳化。
完成したフォアグラとヘーゼルナッツのクリーム。簡単な作り方ですが滑らかでクリーミー。
仕上げの様子。両面を焼き上げたブリニの上にクリームを絞ります。
最後にフレッシュコーンや揚げたコーンなどをトッピングして完成。
GREEN BEAN TOFU
2作品目は、「GREEN BEAN TOFU」。この作品は、SOSA商品の力を利用した“豆腐のもどき料理”で、日本の「冷奴」を独自にアレンジした前菜です。

メインとなる豆腐のパーツは、色止めしたグリーンピース、豆乳、塩を滑らかな状態になるまでハンドブレンダーにかけたアパレイユにプロパンナコッタ(SOSA)を加えて加熱し、冷やし固めたもの。プロパンナコッタは、イオタタイプのカラギーナン100%のゲル化剤で、カルシウムと合わさることで滑らかなゲルを形成します。このレシピでは、豆乳に含まれるカルシウムを利用して、丁度「絹ごし豆腐」のような滑らかでつるりとした食感に仕上げています。

モンタージュの際には、出汁に醤油、みりん、バジルの葉を加えてジェルエスペッサ(SOSA)でとろみを付けたソースの上に豆腐を浮かべ、さらに豆腐の上には大根と生姜のヴェルミセルを乗せています。このヴェルミセルは、大根と生姜から抽出したエキスをジェランガム(SOSA)で固めてから、チーズグレーターで極細の麺状に加工したもので、強度のある耐熱ゼリーを作れるジェランガムの特性を活かしたパーツです。豆腐の上に重ねることで「冷奴の薬味」のようなイメージにしています。

メインとなる豆腐のパーツはプロパンナコッタを使用して「絹ごし豆腐」のような食感に。
出汁に醤油、みりん、バジルの葉を加えてジェルエスペッサでとろみを付けたソース。
大根と生姜のヴェルミセルは各材料を火にかけて冷やし固め、チーズグレーターで極細の麺状に加工。
仕上げには長ネギやバジルの葉などをトッピング。「冷奴」を独自にアレンジした前菜。
CREAMY SQUID SPHERES & GARLIC CUSTARD SHITAKE AND NORI SOUP
3作品目は、イカ墨のスフェール(膜状のゼリーの中にソースなどを閉じ込めたもの)、トマトのジュレ、イカのソテーを温かいスープに浮かべた魚料理「CREAMY SQUID SPHERES & GARLIC CUSTARD SHITAKE AND NORI SOUP」。

イカ墨のスフェールは、ジェルクレムHOT(SOSA)を使用して炊き上げたガーリック風味のカスタードを、イカ墨のアパレイユでコーティングしたもので、コーティング用のアパレイユには、新商品のメチルジェル(SOSA)が使用されています。このメチルジェルは、メチルセルロース100%のゲル化剤で、4℃以下の水分で溶解し、60℃以上に加熱するとゲル化するというユニークな特性があります。この特性を上手く利用することで、今までのゲル化剤では困難だった「温製のスフェール」を作ることが可能となります。ただし、このメチルジェルを使用したスフェールは温度が60℃より下がると凝固力が徐々に弱くなりますので、スフェールを浮かべるスープの温度には十分注意が必要です。また、スフェールの破損を抑制する為にも、膜のコーティングは提供直前に行うことが推奨されます。

付け合せとしてスープに赤く浮かんでいるのがトマトのジュレ。トマトパウダー(SOSA)、塩、水で味を整えたトマトピューレにジェルクレムCOLD(SOSA)を加えて、クリーム状のジュレに仕上げています。こちらのジェルクレムCOLDは、非加熱で素材に保形成のあるクリーム状のとろみを付けることができる増粘剤。前作品で登場したジェルエスペッサの緩やかなソース状のとろみとは質感が異なりますので、使用目的に合わせて使い分けることをお勧めします。
イカ墨のスフェールの中身となるガーリック風味のカスタード。シリコン型で半球状に冷凍。
コーティング用のイカ墨のアパレイユには、SOSAの新商品「メチルジェル」を使用。
冷凍したカスタードをアパレイユでコーティング後、熱いスープに入れる事で温製スフェールが完成。
付け合せとなるトマトのジュレ。ジェルクレムCOLDを使用してクリーム状のジュレに。
イカのソテーは平打ち麺状にカットしたイカをフランパンでシンプルにソテー。
今までのゲル化剤では困難だった温製スフェールが入った魚料理。
VEAL CHEEK STEEW WITH CAULIFLOWER GNOCCHIS AND COCONUT NOTES
4作品目は、「VEAL CHEEK STEEW WITH CAULIFLOWER GNOCCHIS AND COCONUT NOTES」。この作品は、子牛ほほ肉の煮込みをメインにした肉料理で、付け合せの様々なパーツにSOSA商品が使用されています。

まずは、子牛ほほ肉の煮込みに添えられているフォーム(泡)が、子牛とココナッツの泡。この泡は、子牛ほほ肉を煮込んだストック(煮汁)、ココナッツミルク、ライムゼスト、塩を混ぜ合わせて裏漉したベース液に、シュクロエミュル(SOSA)を添加してエアポンプで泡立てて作ります。シュクロエミュルは、ショ糖脂肪酸エステル100%の乳化剤で、水分ベースに添加して泡立てることで耐久性の良い泡を作ることができる素材です。今回のベース液で使用している肉類のストックやココナッツミルクのように油脂を含む液体は、40℃程度まで温めてから泡立てることで、安定した泡を作ることが可能です。

次に、皿の上に点々と配置されている白い球状のパーツが、カリフラワーとココナッツのニョッキ。このニョッキは、カリフラワーにココナッツミルクとバターを混ぜ合わせて裏漉したアパレイユに、アガーアガー(SOSA)と白玉粉を添加して冷やし固めたもの。ジャガイモや小麦粉は使用していませんが、アガーアガー+白玉粉という組み合わせにより、ニョッキ特有のモチモチした食感に仕上げています。

最後に、子牛ほほ肉の煮込みの上や脇などに添えられているクランブル状のパーツが、トマトのクランブル。このクランブルは、パン粉、マルトセック(SOSA)、水、ドライトマトパウダー、塩を混ぜ合わせたものを、低温のオーブンで乾燥焼きしたパーツで、マルトセックに水を加えて作る“粘性のある無味のシロップ”をクランブルのつなぎとして利用しています。
子牛とココナッツの泡は40℃程度まで温めたベース液にシュクロエミュルを添加して泡立て。
出来上がった泡はスプーンですくって逆さにしても落ちない程、安定した仕上がり。
カリフラワーとココナッツのニョッキはアガーアガーと白玉粉を使用。氷水の中に絞り入れて作ります。
冷やし固まったニョッキ。アガーアガー+白玉粉でニョッキ特有のモチモチした食感。
マルトセック+水をつなぎに利用したトマトのクランブル。乾燥焼きするとこのような状態に。
全てのパーツが揃った所でモンタージュ。独創的な肉料理に仕上がりました。
BEETROOT & YOGURT
最後の5作品目は、「BEETROOT & YOGURT」。クネルにしたヨーグルトアイスに様々なパーツを組み合わせた皿盛りデザートで、こちらの作品でも随所にSOSA商品が使用されています。

メインとなるヨーグルトアイスには、プロクレマCOLD(SOSA)グリセリン(SOSA)ヨーグルトフレーバーパウダー(SOSA)を使用。プロクレマCOLDとグリセリンの組み合わせは、過去に行われたSOSAの講習会でも度々登場しておりますが、氷菓を滑らかでリッチに仕上げると共に、凍結後の硬化を抑えて柔らかな質感を長くキープすることができる為、皿盛りデザートには最適な素材と言えるでしょう。

モンタージュに際は、小さくカットしたフレッシュのイチゴに加えて、プロエスプーマCOLD(SOSA)を使用したイチゴの泡(エスプーマ)や、4作品目で登場したトマトのクランブルと同じ調理法で作ったビーツとヨーグルトのシュトロイゼルなど、様々なパーツをトッピング。中でもユニークなパーツとなるのが、白地にピンクの模様が付いた円形のチュイールです。このチュイールは、ヨーグルト、牛乳、砂糖をカッパ(SOSA)で薄く固めて丸く抜いたゼリーの上に、アルブミナを使用して泡立てたビーツのメレンゲを絞って乾燥させたもの。このようなユニークなパーツもSOSA商品を活用すれば簡単に仕込むことが可能です。
イチゴの泡にはプロエスプーマCOLDを使用。ガス充填後に冷蔵庫で休ませると泡が安定します。
こちらはビーツとヨーグルトのシュトロイゼル。前作品で登場したトマトのクランブルと同じ調理法。
ヨーグルトのチュイールにビーツのメレンゲを組み合わせたパーツ。低温で乾燥させて使います。
モンタージュ風景。プロクレマCOLDとグリセリンを組み合わせたヨーグルトアイスがメイン。
ピンクとホワイトの配色が美しいデザート。イチゴとヨーグルトの風味が爽やか。
ギエーム・コラール氏 (SOSAテクニカルアドバイザー)
スペイン・バルセロナの5つ星「ホテルアーツ」や2つ星レストラン「ラサルテ」などで修業後、SOSAテクニカルアドバイザーに就任。現在は、欧米やアジア各国でデモンストレーションを行いながら、SOSA社製品の魅力を世界中に広めています。

サンエイト貿易株式会社
フランス・ヴァローナ社の最高級チョコレートやスペイン・SOSA社の製品を始め、洋菓子を中心とした高級製菓原材料の専門商社。「本物の価値ある商品をお届けする」ことを企業理念に、ヨーロッパを中心とした先見性のある高級洋菓子原材料を輸入販売し、製菓・製パン・料理業界の発展に貢献。

サンエイト貿易ホームページ
http://www.sun-eight.com/

 
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