2017年4月5日、世界のトップパティシエが認める高品質なマロン製品及び、シコリ社のフルーツ加工品を取り扱うアンベール・ジャパンが主催する、クリストフ・ミシャラク(Christophe MICHALAK)氏による特別来日講習会が行われました。
クリストフ氏は、10年以上に渡りホテル・プラザアテネのシェフパティシエを勤め、2005年のクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリーではフランス代表チームのキャプテンとしてチームを優勝に導くなど、輝かしい実績の持ち主。現在は、製菓教室とショップを併設した「MICHALAK MASTERCLASS&MICHALAK TAKE AWAY」で活躍中。本国のフランスではテレビ番組に出演するなど、人気と実力を兼ね揃えたスターパティシエです。 そんなクリストフ氏の講習会ということで、通常は100人程度で満席となる会場に、約130人もの受講者が集結。それでもキャンセル待ちを希望する人が多数いたというのだから、日本での人気も計り知れないものがあります。 「オハヨーゴザイマース!」というクリストフ氏の元気な日本語での挨拶から講習会はスタート。「流行に左右される事無く、自分だけのオリジナル作品を作ることが大切」という自らの考えをもとに、全5作品のデモンストレーションを行いました。どの作品も大変個性的に仕上げられており、様々な新しいアイデアが盛り込まれた講習会となりました。
講習会のオープニングを飾る作品は、「KLASSIK PAVLOVA FRAMBOISE-LITCHI-CITRON VERT (クラッシック・パヴロヴァ フランボワーズ、ライチ、ライム)」。ここ数年、日本でも徐々に浸透してきたメレンゲ菓子「パヴロヴァ」を、クリストフ氏流にアレンジした作品です。
作品名に注目すると「KLASSIK(クラッシック)」の綴りに「C」ではなく「K」が使われています。これは自身の創作する作品には、必ず「MICHALAK」の「K」を使用するというクリストフ氏のルールに基づいたもの。自身の世界観を大切にするクリストフ氏らしいネーミングと言えるでしょう。 デモンストレーションは、パヴロヴァの生地作りからスタート。作り方はシンプルに卵白をグラニュー糖で泡立てたフレンチメレンゲに、粉糖、塩、ライムゼストを混ぜ合わせて味と風味を調整し、長方形のシルパンで焼き上げます。焼成したメレンゲの上には、フランボワーズのコンフィと、ライチ風味のクリームを重ね、仕上げとしてフランボワーズホール、ライチのシロップ漬け、ライムゼストをトッピングして完成。 外はサクサク、中はしっとりやわらかな状態に焼き上げたメレンゲの味わいに、フランボワーズの甘酸っぱさと、ライチのエキゾチックな風味が良く合います。甘くなりがちなメレンゲ菓子ですが、ライムが使われているので、清涼感ある爽やかな仕上がりになっています。 デモンストレーションはパヴロヴァの生地作りからスタート。フレンチメレンゲがベースとなります。
先ほどのフレンチメレンゲに粉糖、塩、ライムゼストを混ぜ合わせてから長方形のシルパンで焼成。
こちらは焼成後のパヴロヴァ生地。外はサクサク、中はしっとりした状態に焼き上げます。
パヴロヴァ生地の上にはフランボワーズのコンフィとライチ風味のクリームを重ねます。
仕上げとしてフランボワーズホール、ライチのシロップ漬け、ライムゼストをトッピング。
アシスタントの方々と協力しながらデコレーション。和やかな雰囲気の中、進められていきます。
2作品目は、「KOSMIK TARTE K MARRON POIRE BERGAMOTTE (コスミック・タルトK マロン、ポワール、ベルガモット)」。一般的に「タルト」というと、サブレ生地などで作られた器の中にフィリングが入ったお菓子を想像しますが、オリジナリティのある作品づくりにこだわるクリストフ氏は、独創的な発想でタルトを表現していきます。
本作品は、底生地からジャンドゥーヤのクランブル、ポワールとベルガモットのクーリ、ビスキュイ・ジョコンド、マロンのバヴァロワーズの4層のパーツで構成されています。一番トップとなるマロンのバヴァロワーズは、東京都板橋区に本店を構える人気パティスリー「クリオロ」のオーナーシェフ、アントワーヌ・サントス氏のレシピを参考にしているということで、敬意をこめて「友人アントワーヌ・サントスの」という言葉がパーツ名に付けられています。 全てのパーツは、直径28cmの丸いシリコン型を使用して順に重ねて行きます。全てのパーツを重ねた後は、冷凍庫で冷やし固めてから16等分にカット。この段階では、まだ「タルト」といった印象はありませんが、カットしたケーキの底から側面にかけて、ローストしたアーモンドダイス入りのチョコレート・グラッサージュをコーティングして、コーティング部分を「タルトの器」に見立てます。これがクリストフ氏流の「タルト」の表現となります。 クリストフ氏の店では、このタルトKシリーズと3作品目に紹介するケーク菓子を、自身のブランドロゴが印されたフタ付きのプラスチックケースに入れて販売しているそうです。ケースに入れることで、香りの劣化や乾燥を防ぐ効果があり、さらに購入したお客様も持ち運びが便利になります。コスト面を考えると簡単に導入することは難しいかもしれませんが、これからのパティスリーにはこのようなアイデアが必要である、とクリストフ氏は語ります。 本作品は直径28cmの丸いシリコン型を使用して組み立てていきます。
底生地はジャンドゥーヤのクランブル。スプーンを使用して型の底に敷き詰めます。
クランブルの上にはポワールとベルガモットのクーリを流します。
さらにクーリの上には型と同じサイズに焼き上げたビスキュイ・ジョコンドを重ねます。
トップとなるのはマロンのバヴァロワーズ。「クリオロ」のサントスシェフのレシピをアレンジしたもの。
冷やし固めた後は16等分にカットし、底から側面にかけてコーティング。「タルトの器」に見立てます。
クリストフ氏の店では自身のブランドロゴが印されたフタ付きのプラスチックケースに入れて販売。
3作品目は、「CAKE MARRON CROQUANT ET FONDANT (ケーク・マロン クロカン・エ・フォンダン)」。パティスリーでは定番のラインナップのひとつであるケーク菓子も、クリストフ氏の手にかかれば、独創的なデザインの焼き菓子に生まれ変わります。
ベースとなるケーク生地には、アンベール社のマロンクリームとピューレを配合。南フランスの郷土菓子「カリソン」からアイデアを得たという、アーモンド形のオリジナル型で焼成し、焼き上がったら生地が熱いうちに、スコッチウィスキーのシロップをたっぷりアンビバージュしています。 ケーク生地の上には、アンベール社のマロンペーストをベースに、生クリームやバターなどを混ぜ合わせたマロンのクレムーを、スプーンを使用して山型に盛り付け、ローストしたアーモンドの細切り(スリーバード)をランダムに差し込みます。その後、ケークを一度冷凍庫で冷やし固めてから、2作品目の「タルトK」のコーティングでも使用したグラッサージュで、上部のクレムー部分のみコーティング。仕上げとして銀のパールパウダーを刷毛で塗りつけています。 ケーク生地にはアンベール社のマロンクリームとピューレを配合。卓上ミキサーで材料を混ぜ合わせます。
完成した生地は南フランスの郷土菓子「カリソン」からアイデアを得たというオリジナルの型に入れて焼成。
焼成後は生地が熱いうちにスコッチウィスキーのシロップをたっぷりとアンビバージュ。
ケークの上面にはアンベール社のマロンペーストをベースにしたマロンのクレムーを山型に盛り付けます。
マロンのクレムーにはローストしたアーモンドの細切り(スリーバード)をランダムに差し込みます。
一度冷凍して冷やし固めてからタルトKでも使用したグラッサージュで上面をコーティング。
仕上げにはシルバーのパールパウダーを刷毛で塗り付けています。メタリックな仕上がり。
タルトK同様、クリストフ氏の店ではフタ付きのプラスチックケースに入れて販売しています。
4作品目は、「KOSMIK KALAMANSI,COMME UNE TARTE (コスミック・カラマンシー タルトのような)」。このコスミックシリーズは、「歩きながら食べられるお菓子」をコンセプトに、ジャー容器の中にお菓子を閉じ込めたMICHALAKブランドの人気シリーズ。クリストフ氏の店ではミルフィーユやパリブレストなど、常時10種類程度のラインナップが用意されており、今回のデモンストレーションでは、シコリ社の新商品となるカラマンシーピューレをメイン素材に使用して、タルトを連想させる構成の作品に仕上げています。
作品構成は、クレムー、クランブル、クリーム、ジュレの4層仕立て。クレムー、クリーム、ジュレの3つのパーツには、カラマンシーピューレが使用されており、アクセントとしてライムの香りも加えています。 食べる時は、容器の底までしっかりスプーンを差し込み、すべてのパーツを一度に口の中に入れるのが、クリストフ氏の推奨する食べ方。柑橘類の爽やかな風味が心地よい作品なので、天気の良い日に街を歩きながら食べるには最適なスイーツです。 ちなみにメイン素材として使用されているカラマンシーは、東南アジアに広く分布している実がオレンジ色の柑橘類です。酸味はレモンとライムの中間ほどで、柑橘ならではの爽やかな香りが特徴。日本ではあまり馴染みがありませんが、フランスではお菓子作りに度々使用されるそうです。 クレムーの仕込み風景。カラマンシーとライムの爽やかな風味が特徴的なパーツ。
こちらはクランブル。タルトをイメージした作品なので、このクランブルでタルトの生地を表現。
全てのパーツの準備が出来たところでクレムー、クランブル、クリーム、ジュレの順にモンタージュ。
クリストフ氏自ら試食。容器の底までしっかりスプーンを差し込み、全てのパーツをまとめて口の中に。
講習会の最後となる5作品目は「POTION MAGIK MARRON COCO CITRON VERT (ポーション・マジック マロン、ココ、シトロンヴェール)」。4作品目のコスミックシリーズは、「歩きながら食べられるお菓子」でしたが、このポーション・マジックシリーズは、フランスの人気漫画「アステリックス」に登場する魔法の薬をモチーフに、「飲むお菓子」としてクリストフ氏が開発した作品。電球のような形をした容器の中に、タピオカとドリンクを閉じ込めています。分かりやすく例えるならクリストフ氏流のタピオカドリンクといったところでしょうか。
今回のデモンストレーションで披露されたドリンクは、アンベール社のマロンクリームとピューレをベースに、フロマージュブランやシコリ社のココナッツピューレなどを、ハンドブレンダーで混ぜ合わせたもの。香りのアクセントとして、ライムのゼストも入っています。 食べる際には、しっかりシェイクをしてタピオカとドリンクを一緒に口の中に流し込みます。これはクリストフ氏が子供の頃、ヨーグルトをシェイクしてドリンク状にして食べることが好きだったというエピソードからアイデアを考えたそうです。 ドリンクを仕込む様子。ハンドブレンダーを使用して各材料を混ぜ合わせます。
電球のような形状をした容器の中にタピオカとドリンクを流し入れます。クリストフ氏流のタピオカドリンク。
食べる際にはしっかりとシェイク。タピオカとドリンクを一緒に口の中に流し込みます。
クリストフ・ミシャラク (Christophe MICHALAK)氏
フォション、ピエール・エルメ、ラデュレなどを経て、2000年〜2015年までホテル・プラザアテネのシェフパティシエを勤める。その間に、2005年クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリーのフランス代表チームとして優勝を果たす。現在は製菓教室とショップを併設した「MICHALAK MASTERCLASS&MICHALAK TAKE AWAY」で活躍中。
アンベール社について
創設の1920年以来、フランス・リヨンの南ローヌ・アルプ地方にあるアルディッシュ県の栗の名産地「オブナ」に本社工場を構える歴史あるマロン製品メーカー。栗に含まれている苦味成分タンニンを極力取り除き、風味を引き出す為にバニラビーンズの使用を抑えて作られたアンベール社の製品は、世界各国のトップパティシエから指示を受けています。
⇒アンベール社取扱い商品一覧 シコリ社について
1962年フランスの南西部リヨン地域の果樹農家による協同組合を母体に活動を開始して以来、50年以上の歴史があるフランス大手フルーツ生産者。現在は150件の農家が加入し、計約570ヘクタールにおよぶ果樹園で年間約13000トンものフルーツを生産。最適なテロワールで栽培されたフルーツを原料に高品質なフルーツ加工品を世界中に提供しています。
⇒シコリ社取扱い商品一覧 アンベール・ジャパン株式会社について
アンベール・ジャパンは製菓業界専門の食品の輸入及び販売をする会社です。フランスのマロン・アンベール社(栗加工食品)及び、シコリ社(冷凍フルーツ食品)商品の総代理店です。最高品質の製菓材料のみを厳選し、皆様にご提供してまいります。
▼ アンベール・ジャパン ホームページ http://imbert.co.jp/ ▼ アンベール・ジャパン facebook https://www.facebook.com/imbertjapan/ |
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