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ベルコラーデクラブ・ワークショップ 「チョコレート・ムース」
厳選された原材料と伝統的な製法で世界のプロフェッショナルから支持を受けるベルギーのチョコレートブランド「ベルコラーデ」では、日常的にベルコラーデ製品を愛用しているユーザーを対象にした会員組織「ベルコラーデクラブ」を通じて、チョコレートに関する技術や知識の向上を目的としたワークショップを行っています。2017年は東京と大阪を合わせて全6回のワークショップを予定。今回はその中から3月22日(水)に開催された「チョコレートムース」をテーマにしたワークショップを取材させて頂きました。
開 催 日 2017年3月22日(水)
会 場 ピュラトスジャパン株式会社 東京イノベーションセンター
(東京都港区)
講 師 ヨリス・バンヘー氏
(ピュラトスジャパン・テクニカルセールスディレクター)
【午前のワークショップ】 ゼロからのレシピ作成
参加者全員で簡単な自己紹介を行った後、早速ワークショップはスタート。午前中のワークショップでは、チョコレートムースのレシピ作成について学んでいきます。今回のワークショップで作成するレシピは、ダークチョコレートムースとホワイトチョコレートムースの2種類。どちらのムースも既存のレシピを編集するのではなく、まったくゼロの状態からレシピを考えていきます。

レシピを作成するにあたり、最初の理解しておかなければならないのが、チョコレートの原材料です。原材料に含まれる「カカオバター」、「砂糖」、「全粉乳」は、ムースの仕上がりを大きく左右しますので、レシピの作成を行う前にそれぞれ調べておくことが重要です。またムースの製法についても、レシピを作成する前に考える必要がありますので、予め決めておきます。この日のワークショップでは、ダークチョコレートムースを「パータ・ボンブベース」で、ホワイトチョコレートムースを「フルーツピューレベース」で、それぞれ作成します。

ムースの製法まで決まったところで、実際に配合の計算を行います。最初に配合を計算するのはダークチョコレートムース。講師のヨリス氏は、配合を計算する際のコツとして「重視したいポイント」から順に配合を決めることを推奨します。具体的にはダークチョコレートムースの場合、完成時の「口溶け(固さ)」を重視することが多い為、ムースの固さを左右するカカオバターの割合をもとにチョコレートの使用量を算出し、このチョコレートの使用量をベースにして、砂糖や生クリームなどの配合を順に計算するとスムーズなレシピ作成につながります。

次にレシピを作成するホワイトチョコレートムースの場合は、味わいが甘くなり過ぎることに気を付けたいので、「甘さ」に影響する砂糖の使用量から配合を計算していきます。さらにホワイトチョコレートは、原材料に全粉乳が多く含まれているので、生クリームと合わせて「乳脂肪分(軽さ)」にも注意して配合を考えることが大切です。

どちらのムースも、実際に作成した配合の通りに仕込みを行って、午前中のワークショップは終了です。冷やし固まるまでに少し時間がかかりますので、午後のワークショップの終盤で実際に試食を行います。
まずは講師も含めて参加者全員で簡単な自己紹介。
場所を移して早速ワークショップがスタート。午前中はレシピ作成について学んでいきます。
レシピを作成するにあたり、チョコレートの原材料についてパネルを使って解説。
チョコレートの原材料について学んだ後は、実際にレシピを作成していきます。
参加者全員で各材料の使用量を計算。ヨリス氏のアドバイスを受けながら配合を考えます。
ワークショップ内で作成したレシピの通りにムースを仕込みます。仕上がりが楽しみです。
【午後のワークショップ】 ムース食べ比べ&座学
午後のワークショップは、チョコレートムースの食べ比べから始まります。この日に用意されたムースは全部で10種類。アングレーズやパータ・ボンブなど、異なる製法による食べ比べはもちろんですが、手混ぜとハンドミキサーによる口当たりの比較といったユニークな食べ比べも準備されていました。ちなみに参加者の中で一番人気だったのは、アングレーズベースのチョコレートムースです。チョコレートムースの製法としては定番ですが、それだけ多くの人に好まれる仕上がりになるようです。

食べ比べの後は、場所を移してチョコレートムースに関する座学を行います。ムースに使用する原材料の役割から、製法による相違点や配合のバランスなど、午前中のおさらいも兼ねて様々な理論を学習します。普段、忙しく仕事をこなす参加者にとっては、製菓について落ち着いて学習する機会は少ないと思いますので、有効な時間になったのではないでしょうか。

そしていよいよ午前中に仕込んだ2種類のチョコレートムースの試食の時間となります。どちらのムースも、この日のワークショップの中でレシピを作成したので、試作は一切行っていません。それだけに完成したムースが上手く仕上がっているのか不安もありましたが、どちらのムースも十分納得できる美味しさに仕上がっていたので、参加者全員ほっと胸をなでおろします。
午後はチョコレートムースの食べ比べから始まります。10種類のムースが用意されていました。
食べ比べの後は座学に移ります。午前中のおさらいも兼ねてしっかり理論を学習。
参加者と意見を交わしながら授業は進行。各ショップによってムースへの考え方は異なります。
いよいよ午前中に仕込んだ2種類のチョコレートムースを試食。どちらも美味しく仕上がりました。
この他にもベルコラーデチョコレートの試食やフードペアリングの学習など充実した授業内容です。
ワークショップ総括
今回のワークショップのテーマとなる「チョコレートムース」は、ケーキを作る上で欠かすことのできない重要なパーツですが、使用する材料や製法のバリエーションが豊富なだけに、難しい印象を受ける方も多いと思います。しかし、基礎となる理論や考え方をしっかり理解すれば決して難しいものではないということを、このワークショップを通じて感じることができました。

ベルコラーデクラブのワークショップは、少人数で行われるワークショップなので、講師と参加者の距離感が近く、お互いにコミュニケーションを取りながら和やかな雰囲気で授業が進められていきます。チョコレートに関するテクニックや知識を学ぶことはもちろんですが、違うショップに勤めている参加者同士で意見交換をするなど、貴重な時間を過ごすことができますので、興味のある方はワークショップに参加してみることをお勧めします。

ベルコラーデクラブ・ワークショップの詳細につきましては、ベルコラーデ公式ウェブサイトからご確認頂けます。

ベルコラーデ公式ウェブサイト
http://www.belcolade.jp/index.html

ベルコラーデクラブ ワークショップ
http://www.belcolade.jp/club/index.html
JORIS VANHEE(ヨリス・バンヘー)
JORIS VANHEE(ヨリス・バンヘー)氏
1970年ベルギー生まれ。ベルギー国内の有名店で修業。マンダリン・ナポレオン(ベルギー)世界大会で優勝。2003年にはアルチザン・アイス・ワールド・チャンピオンシップで準優勝。2005年に来日し、大阪の有名店でペストリーシェフを務めるなど、日本市場にも精通。現在はピュラトスジャパン(ベルコラーデ)のテクニカルセールスディレクターとして活躍。国内外のプロフェッショナルに技術指導をするほか、新しい発想のレシピ開発などで定評がある。
ピュラトスについて
ピュラトスについて
世界100カ国以上の製菓・製パンのプロフェッショナルに向けて、様々な原材料やサービスを提供する国際的企業。開発から製造まで自社で行うベーカリー・パティスリー製品や、ベルギーチョコレートのブランド、ベルコラーデなどを取り扱う。ベルギーの首都ブリュッセル近郊のグルート・ビジガーデンに本社を構える。
 
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