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サンエイト貿易主催 カルレス・マンペル(Carles Mampel)氏による特別来日講習会
2016年11月2日(水)、ガストロノミー・ペストリー向けの新機能素材やフルーツ加工などを開発するスペインの食材メーカー「SOSA(ソーサ)」の商品を使用したデモンストレーションが、東京・渋谷にあるドーバー洋酒貿易講習会場にて行われました。

講師には、サロン・デュ・ショコラなどの出店により日本でも注目を集めたスペインの人気パティスリー「bubó BARCELONA(ブボ バルセロナ)」でシェフパティシエを務めたのち、この度SOSAテクニカルアドバイザーに就任したカルレス・マンペル(Carles Mampel)氏を迎えます。

WPTC(ワールド・ペストリー・チーム・チャンピオンシップ)やクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリーにスペイン代表として出場した実績もあるクリエイティブなパティシエが、SOSA商品をどのようにレシピに取り入れて行くのか、会場に集まる製菓関係者が注目する中、全6作品のデモンストレーションを披露。

ダイナミック且つ鮮やかな色使いや、見る者の感性を刺激する独創的なデザインの作品を通じて、SOSA商品の魅力と共に、カルレス氏の作品に対するクリエイティブな考え方が散りばめられた講習会となりました。

開 催 日 2016年11月2日(水)
講 師 カルレス・マンペル(Carles Mampel)氏
(SOSAデモンストレーター)
主 催 サンエイト貿易株式会社
ケーク・モンブラン
1作品目は「ケーク・モンブラン」。マロンを使用した伝統的なフランス菓子「モンブラン」をモチーフにした焼き菓子です。

本作品のメインとなるのは、マロンとバニラのケイク。粉類、マロンロワイヤル・マロンピューレ、卵、溶かしバターなどの材料をミキサーで順々に繋ぎ合せて作ります。マロンピューレを使用しているのは、甘みを抑えてマロンの味わいを強める為。バニラの香りは、生地中にマダガスカル産のバニラビーンズを配合して加えています。

完成したケイク生地は、マロンロワイヤル・マロンペーストと澄ましバターをSOSAワックスコンセプトでペースト状にしてから冷凍したパーツをセンターに配置して焼成。焼成後は、ラム酒のシロップをアンビバージュしてから一旦冷凍して冷やし固め、カシスとペッシュサンギーヌのグラッサージュでコーティングをします。

仕上げとして、ケイク側面の下半分を覆うようにプラックショコラを貼りつけてから、SOSAアルブミナを使用して乾燥焼きしたメレンゲや、厚めに糖衣を纏わせたマロンコンフィを飾り付けて完成です。
ケイク生地は卓上ミキサーを使用して材料を順々に混ぜ合わせて作ります。
完成したケイク生地は絞り袋で細身のセルクルの中に流していきます。
センターにはマロンペースト、バター、SOSAワックスコンセプトなどを合わせたパーツを配置。
焼成後はグラッサージュでコーティングしてから側面の下半分にプラックショコラ。
デコレーションとして乾燥焼きしたメレンゲやマロンコンフィを飾り付けて完成。
ケーク・モンブランの断面。モンブランをモチーフにした焼き菓子です。
ロング・サブレ 〜セザム・オランジュ〜
2作品目は「ロング・サブレ 〜セザム・オランジュ〜」。胡麻とオレンジの味わいを組み合わせたスリムなバータイプのタルト作品です。

作品の構成は、胡麻風味のサブレをタルトの器にして、フィリングとして胡麻風味のクランチー、オレンジクリーム、土に見立てた黒ねり胡麻を順に配置しています。

タルトの器となる胡麻風味のサブレには、SOSAワックスコンセプトで白ねり胡麻をバター状に加工した「フォー・ブール・オ・セザム(胡麻の偽バター)」を配合。バターと併用して使うことで、サブレのサクサクした食感は残しながら、しっかりとした胡麻風味の生地に仕上げています。さらに小麦粉の一部をSOSAマルトセックに置き換えることで、小麦の風味と粉っぽさを抑えています。

フィリングと胡麻風味のクランチーにもサブレ生地と同じフォー・ブール・オ・セザム(胡麻の偽バター)を使用。アーモンドのプラリネ、フィヤンティーヌ、キャラメリゼした黒ゴマ(日本未輸入SOSA商品)などと混ぜ合わせて、焼成したサブレの中に詰めます。

胡麻風味のクランチーの上には、SOSAジェルクレムCOLDを使用してクリーム状にしたオレンジジュースを絞ります。SOSAジェルクレムCOLDは、ハンドブレンダーなどを使用してベースとなる素材と混ぜ合わせるだけで、簡単にクリーム状に仕上げることができる増粘剤です。加熱する必要も無いので、素材の風味が落ちることもありません。

一番トップに配置されている、土に見立てた黒ねり胡麻には、SOSAマルトセックを使用。黒ねり胡麻と太香胡麻油にSOSAマルトセック混ぜ合わせてフレーク状にしたものを、フライパンで振るいながら加熱して土のような形状に加工しています。

完成したロング・サブレは、想像力を刺激する非常にユニークなデザインのタルトに仕上がりました。SOSA商品を活用すれば、本作品のような視覚的におもしろいデザートや料理を手軽に構築することが可能です。
こちらはタルトの器になる胡麻風味のサブレ生地。スリムな長方形の型を使用して焼成。
焼成したサブレの中にはフィリングとして胡麻風味のクランチーを絞ります。
胡麻風味のクランチーの上にはSOSAジェルクレムCOLDを使用したオレンジクリーム。
さらにその上にはSOSAマルトセックで土状に仕上げた黒ねり胡麻を配置。
仕上げとしてデコールショコラやオレンジコンフィを飾り付けて完成。
こちらはサブレとクランチーに使用したフォー・ブール・オ・セザム(胡麻の偽バター)。
レッド・フレッシュ 〜シャルロット・ルージュ、滑らかなガナッシュ・モンテ・エルブ〜
3作品目は「レッド・フレッシュ 〜シャルロット・ルージュ、滑らかなガナッシュ・モンテ・エルブ〜」。カルレス氏が得意とする鮮やかな色使いが目を引くアントルメ作品です。

作品構成は、ビーツのビスキュイを底生地にして、クルスティヤン、ハーブのガナッシュ、赤い果物のムースの順に重ねてから、赤く色付けたグラッサージュで全体をコーティングしています。本作品は、作業効率を考慮してビスキュイの焼成からムースの組み立てまでを一つのセルクル内で順々に進めていきます。

まずは底生地となるビーツのビスキュイ。こちらのビスキュイには、2016年の秋頃より日本で販売がスタートしたSOSAビーツパウダーを使用してピンク色に着色。生地中にはレモンゼストとコアントローを配合して柑橘類の爽やかな風味のビスキュイに仕上げます。

ビスキュイの上には、フィヤンティーヌにホワイトチョコレート(KAOKAアンカ35%)やSOSAクリスピーシリーズなどを混ぜ合わせたクルスティヤンを重ねてから、バジルとミントの香りをアンフュゼしたホワイトチョコレートのガナッシュを滴状に絞ります。

一番トップとなる赤い果物のムースは、SOSAストロベリークリスピーと赤い果物のピューレ(フレーズ、フランボワーズ、ペッシュサンギーヌ)を混ぜ合わせて裏漉した液体にSOSAアルブミナ加えて作ったフルーツメレンゲをベースにして仕込みます。SOSAストロベリークリスピーを始めとするSOSAクリスピーシリーズは、フルーツなどの素材をフリーズドライ加工した商品なので、今回のレシピのようにピューレなどと合わせて使用することで、余計な水分量を増やす事無く素材の味わいを強化することが可能です。

ムースを冷やし固めた後は、色鮮やかなグラッサージュでコーティングを行い、デコレーションとして、アントルメ内にも配置されているハーブのガナッシュやデコールショコラなどを飾り付けて完成。赤い果物のフレッシュ感とハーブの爽やかな香りがマッチした作品です。
底生地となるビーツのビスキュイ。SOSAビーツパウダーを使用してピンク色に着色。
ビーツのビスキュイの上にはクルスティヤンを重ねます。
さらにクルスティヤンの上にハーブのガナッシュを滴状に絞ります。
一番トップにはSOSAアルブミナを使用したメレンゲをベースにした赤い果物のムース。
鮮やかなピンク色に色付けしたグラッサージュでコーティング。
仕上げにはガナッシュやデコールショコラなどを飾り付けて完成。
サブレ・パンナコッタ 〜フランボワーズ・ローズ・ビーツ〜
4作品目は「サブレ・パンナコッタ 〜フランボワーズ・ローズ・ビーツ〜」。3作品目のレッド・フレッシュに引き続きカルレス氏らしい鮮やかな色使いが特徴的なプチガトーです。

作品の土台になるのは、ピンク色のサブレ。粉類、きび砂糖、SOSAマルトセックSOSAビーツパウダー、バターをサブラージュしたものを、ボロボロした状態のまま、セルクルに詰めて焼成することで、目の粗い独特な質感の生地に焼き上げています。

サブレの上には、まず丸く抜いたパンナコッタを中央に配置しています。パンナコッタの凝固剤には、SOSAプロパンナコッタを使用。SOSAプロパンナコッタは、イオタタイプのカラギーナン100%のゲル化剤で、舌に絡みつくような滑らかな食感は、その名の通りパンナコッタには最適です。

さらにパンナコッタの周りを取り囲むように配置しているのが、ダイス状のイチゴゼリーとフレッシュのフランボワーズ。ダイス状のイチゴゼリーは、冷凍したイチゴホールに砂糖をまぶしてから解凍することで抽出した液体を、SOSAアガーアガーSOSAインスタントジェルを併用して固めています。食品の解凍時に発生するドリップを活用したユニークな調理法です。

仕上げには、デコールショコラ、3作品目のレッド・フレッシュでも使用したハーブのガナッシュ、フレッシュのフランボワーズを順に飾り付けて作品の完成となります。
焼成前のピンク色のサブレ。ボロボロした状態のままセルクルに詰めて焼き上げます。
パンナコッタを仕込む様子。凝固剤にはSOSAプロパンナコッタを使用。
こちらはSOSAアガーアガーで固めたイチゴゼリー。ダイス状にカットして使用。
モンタージュの様子。まずピンク色のサブレの上に丸く抜いたパンナコッタを配置。
パンナコッタの周囲にはイチゴゼリーとフランボワーズを並べます。
仕上げにはデコールショコラ、ガナッシュ、フランボワーズを飾り付けて完成。
スナック・クッキーズ 〜フルーツ・クランチー〜
5作品目は「スナック・クッキーズ 〜フルーツ・クランチー〜」。生地を焼き上げて作る一般的なクッキーやサブレとは異なる独特な質感のスナック菓子で、今回はテイストの違う2種類のレシピを披露して頂きました。

作り方は、どちらのスナック・クッキーズも、まず糖類、粉類、バターなどの材料を合わせてサブラージュしたものを、ボロボロした状態のまま天板に広げて焼成し、それぞれのベース生地を作ります。

次に、1種類目(赤いスナック・クッキーズ)のレシピは、上記で仕込んだベース生地、SOSAラズベリークリスピーSOSAストロベリークリスピーSOSAビーツパウダー、パルメザンチーズに、溶かしたカカオバターとホワイトチョコレートを混ぜ合わせてから、セルクルに入れて冷やし固めます。

2種類目(ベージュのスナック・クッキーズ)のレシピも同様に、ベース生地、SOSAパイナップルクリスピーSOSAパッションフルーツクリスピーSOSAライムクリスピーに、溶かしたカカオバターとホワイトチョコレートを混ぜ合わせてから、セルクルに入れて冷やし固めます。

そして冷やし固まった所で、最後に片面をチョコレートでコーティングして完成。コーティングには、赤いスナック・クッキーズはスイートチョコレートを、ベージュのスナック・クッキーズはミルクチョコレートをそれぞれ使用しています。
こちらはスナック・クッキーズのベース生地。材料をサブラージュ後に焼成。
ベース生地にSOSAクリスピーやチョコレートなどの材料を良く混ぜ合わせます。
ひとまとまりになった所で4mm厚に伸ばしてからセルクルで丸く抜きます。
片面をチョコレートでコーティングする際は同じサイズのシャブロンを使用。
完成したスナック・クッキーズ。赤いフルーツとトロピカルの2種類。
スクエア・ジャンドゥージャ
今回のデモンストレーション最後の作品となる6作品目は「スクエア・ジャンドゥージャ」。こちらの作品は、カルレス氏が幼い時に良くパンに塗って食べたという「ヌテラ」(ヘーゼルナッツとチョコレートのスプレッド)の味わいをベースに考案されたプチガトーで、四角いセルクルの側面のみを使用して焼き上げたサブレの中に、ヘーゼルナッツとチョコレートのクリームが詰められています。

ヘーゼルナッツとチョコレートのクリームは、SOSAワックスコンセプトを使用してペースト状にしたヘーゼルナッツプラリネとヘーゼルナッツペーストに、溶かしたチョコレート、フィヤンティーヌ、SOSAペタクリスピーなどを混ぜ合わせて作ります。生クリームなどの材料は配合されていない為、ヘーゼルナッツとチョコレートの味わいがしっかりと感じられるパーツです。SOSAペタクリスピーが配合されているので、口の中でパチパチと弾ける演出も楽しめます。

デコレーションには、キャラメリゼしたヘーゼルナッツやデコールショコラなどを飾り付けて完成。作品をサンドするように飾り付けているデコールショコラの端が欠けているのは、ケーキに噛り付いた子供の歯形をイメージしています。SOSAペタクリスピーによる演出なども含めて、カルレス氏の遊び心が随所に感じられる作品です。
スクエア・ジャンドゥージャは四角く焼き上げたサブレを使用したプチガトー。
ヘーゼルナッツとチョコレートのクリーム。各材料をシンプルに混ぜ合わせます。
良く混ぜ合わせた所でサブレの中に詰めて冷やし固めます。
キャラメリゼしたヘーゼルナッツやデコールショコラなどを飾り付けて完成。
カルレス・マンペル(Carles Mampel)氏
1968年スペイン・バルセロナ生まれ。1999年スペイン最優秀パティシエの称号を授与される。2002年、2004年「WPTC(ワールド・ペストリー・チーム・チャンピオンシップ)」のスペイン代表として活躍。2005年「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」チョコレート部門のスペイン代表を務め、「Best chocolate cake」を受賞。さらに同年、パティスリー「bubo BARCELONA(ブボ・バルセロナ)」をスペイン・バルセロナにオープン。2008年には世界最高峰のパティシエ組織「ルレ・デセール」の会員となる。現在は、SOSA社のデモンストレーターとして、世界中の料理人やパティシエ達に技術指導などを行う。
サンエイト貿易
フランス・ヴァローナ社の最高級チョコレートやスペイン・SOSA社の製品を始め、洋菓子を中心とした高級製菓原材料の専門商社。「本物の価値ある商品をお届けする」ことを企業理念に、ヨーロッパを中心とした先見性のある高級洋菓子原材料を輸入販売し、製菓・製パン・料理業界の発展に貢献。

サンエイト貿易ホームページ
http://www.sun-eight.com/

 
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