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クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー2017 日本国内予選決勝
昨年の2015年1月、フランス・リヨンにて開催された世界最高峰のパティスリー・コンクール「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー2015」。世界21ヵ国から各国3名の代表に選ばれたパティシエが一組のチームとなり、世界の頂点を目指して製菓技術とチームワークを駆使した熱い戦いを繰り広げました。結果はイタリアチームが実に9大会ぶりとなる金メダルに輝きました。中山和大選手、コ永純司選手、杉田晋一選手の3名で構成された日本チームは、二大会連続となる銀メダルを見事獲得。各国を代表するパティシエ達が作り上げた華々しい作品の数々に、世界中の人々が酔いしれたことでしょう。

そんな前回大会から1年弱が経過した2016年3月23・24日の二日間、2017年1月に開催される次回大会「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー2017」に出場する日本代表を選考する国内予選決勝が東京製菓学校(東京・高田馬場)にて行われました。

国内予選決勝のテーマは「TIME(時間)」、「VOYAGE(旅)」、「NATURE(自然界)」の中からいずれか一つを選択するといもの。これらのテーマを元に各選手は作品を考案。事前に行われた一次審査を通過した選手が国内予選決勝へと駒を進めます。今回の決勝進出者は、A部門(アントルメ・ショコラ、飴細工)が10名、B部門(アシェット・デセール、チョコレート細工)が10名、C部門(アントルメ・グラッセ、氷彫刻)が5名。この中から各部門それぞれ1名の代表の座をかけて製菓技術を競い合います。

フランスで行われる本大会の華々しい雰囲気とは異なり、国内予選決勝は選手たちの息遣いが感じられるほどピンと張りつめた独特の空気が流れています。数多くの受賞歴を持つトップパティシエが審査を行う中、各選手たちは長時間に渡り集中して作業を行います。時間が進むにつれて徐々に組み立てられていく作品を見ていると、この日に向けて何度も練習を重ねてきた選手たちの熱い想いが伝わってきます。

長時間の競技を終えて見事代表の座を獲得した3選手は以下の通りになります。

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■ A部門 : 駒居 崇宏(株式会社シュゼット)
■ B部門 : 植ア 義明(森永商事株式会社)
■ C部門 : 山本 隆夫(株式会社クラブハリエ)
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今回決定したクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー2017の日本代表は、全員年齢が40歳を超えるベテランチームとなりました。これから本大会までの数か月間、日本代表に選ばれた3選手は、練習を繰り返しながら作品の作り込みを行うことになりますが、国内予選を勝ち抜いた技術とベテランならではの経験を武器に、本大会での金メダル獲得を期待しています。

それでは各部門の入賞者と国内予選決勝出場者を紹介していきます。
A部門 「アントルメ・ショコラ、アメ細工」入賞者
金賞 駒居 崇宏(株式会社シュゼット)
A部門金賞を受賞した駒居選手の作品は「ウサギとカメ」がモチーフ。時計の針や車輪など複数のパーツを巧みに重ね合せた柱の上に、手綱でウサギを操るカメを乗せたストーリー性のあるピエス。カメの甲羅のようなデザインのアントルメ・ショコラは、バイベ・ラクテとイランカを使用したクレーム・ショコラ・フレーズをベースに、ドゥルセのムースなど複数の層で構成。カットすると断面がウサギのシルエットに見えるセンターが仕込まれています。
銀賞 伊藤 文明(パティスリーメゾンドゥース)
伊藤選手の作品は、今にも動き出しそうなダイナミックな鹿のピエスモンテに、切り株を連想させるアントルメ・ショコラを組み合わせています。ピエス中央に飾られている大きな赤い花が印象的。自然の生命力を感じさせる力強い作品です。
銅賞 谷藤 拓(東京製菓学校)
エキゾチックな色使いがひと際目を引く谷藤選手の作品。明色と暗色のコントラストと共に、引きアメと流しアメの質感の違いを巧みに取り入れています。美しいダークブラウンのアントルメはイランカとコーヒーを組み合わせた一品。
B部門 「アシェット・デセール、チョコレート細工」入賞者
金賞 植ア 義明(森永商事株式会社)
見る人の想像力をかき立てる独特の世界観を持つピエスモンテを作成したB部門金賞の植ア選手。下半分が樹木に変化した巨大な腕時計、腕時計を突き破るカエル、腕時計に絡みつくツタやコケなど、多数のパーツを見事に組み合わせて細部までしっかりと作り込まれています。アシェットデセールは、卵型のショコラケースの中にイチゴやフロマージュブランをメインにしたムース、グラス、コンフィなど複数のパーツが閉じ込められています。
銀賞 向井 聡美(株式会社バンタン)
今大会では紅一点のパティシエール・向井選手は、アンティーク調の質感が美しいピエスと、フランス・パリにあるキャバレー「ムーラン・ルージュ」をモチーフにしたアシェットデセールを作成。細部まで丁寧に仕上げられた繊細な作品。
銅賞 北川 弘樹(名古屋マリオットアソシアホテル)
B部門銅賞を受賞した北川選手は、巨大なカタツムリにまたがり戦う二人の戦士をメインにしたファンタジーな世界観のピエスモンテを作成。砂時計をモチーフにしたアシェットデセールは、柚子の風味を巧みに使用した一品です。
C部門 「アントルメ・グラッセ、氷彫刻」入賞者
金賞 山本 隆夫(株式会社クラブハリエ)
C部門金賞の山本選手は、百獣の王ライオンの氷彫刻を作成。逆立つ鬣や力強い牙もしっかりと彫り込まれており、筋肉の躍動感まで伝わってくる迫力のある作品です。ロール状のアントルメグラッセは、フランボワーズ、アプリコット、ココナッツなどフルーティーな素材を使用したパーツを組み合わせています。複数の円で構成された断面と、フランボワーズとアプリコットのピューレで作った表面の花模様が非常に印象的な一品。
銀賞 小熊 亮平(ラ・ヴィ・ドゥース)
C部門銀賞は、翼を大きく広げた鳥の氷彫刻を作成した小熊選手。羽の細かな質感まで彫り込まれています。アントルメグラッセは、バニラ、コクリコ(ヒナゲシ)、フランボワーズ、ライチなどの素材を使用しています。
銅賞 正木 辰宜(ANAクラウンプラザホテル岡山)
C部門銅賞の正木選手は、魚を捕らえる鳥の氷彫刻を作成。鳥の羽をモチーフにしたアメ細工が飾り付けられたアントルメグラッセは、バニラ、ゆず、フレーズ、バルサミコの風味を取り入れた作品です。
A部門 決勝大会進出者 (五十音順)※入賞者を除く
岩佐 康雄(ケーキハウス ツマガリ)
江原 康之(パティスリーリッチフィールド)
遠藤 泰介(ザ・ペニンシュラ東京)
小川 真敬(パティスリー ラ・ローズ・ジャポネ)
川井 一平(グランド ハイアット東京)
菅原 聡倫(ウィーン菓子工房リリエンベルグ)
濱中 健一(福岡キャリナリー製菓調理専門学校)
B部門 決勝大会進出者 (五十音順)※入賞者を除く
梅澤 睦(ザ・リッツカールトン東京)
古久保 裕介(六本木ヒルズクラブ)
小森 利英(コンパーテス・ショコラティエ)
清水 良祐(ウェスティンホテル東京)
谷山 俊一(表参道うかい亭)
原田 誠也(株式会社クラブハリエ)
山本 健太郎(株式会社ニューオータニ)
C部門 決勝大会進出者 (五十音順)※入賞者を除く
堀田 悟(ラ プラージュ)
宮ア 龍(エル・ダンジュNAGOYA)
クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー
クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー
1989年にM.O.F.(フランス最優秀職人章)の称号をもつガブリエル・パイアソン氏と、フランスのトップチョコレートメーカー・ヴァローナ社によって設立された、世界を代表するパティスリーコンクール。開催は2年に1度行われ、世界20か国以上から各国の予選を勝ち抜いたパティシエたちが、「アメ細工、アントルメ・ショコラ」、「チョコレート細工、アシエット・デセール」、「氷彫刻、アントルメ・グラッセ」の3部門の競技で、世界の頂点を目指して腕を競い合います。

クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー(日本サイト)
http://www.cdmp-japan.jp
クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー(本選サイト)
http://www.cmpatisserie.com
Twitter
https://twitter.com/cdm_comite_jp
ヴァローナ
ヴァローナ(VALRHONA)社について
1922年フランス、ローヌ地方の菓子職人が創業。 カカオの品種や産地別に分類した商品をいちはやく展開した世界トップクラスのチョコレートメーカー。 超一流洋菓子店、レストラン、ホテルご用達の製菓材料であり、個性的な商品構成は、 その商品名が時にケーキやドリンクの名前にも付けられるほどの存在感です。 2007年には、フランスに次いで世界で2校目になるショコラの専門技術学校を、東京に設立。 さまざまな研修プログラムが用意されている。

ヴァローナ・ジャポン
http://www.valrhona.co.jp/
ヴァローナ オンライン・ブティック
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エコール・ヴァローナ 東京
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