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SOSAアシェットデセール講習会
化学の理論を取り入れた新しい新機能素材を提案している『SOSA社』。その全く新しい機能は、世界中の食通をうならせる程の魅力を放ち続けています。そしてその魅力に引き込まれている作り手たち。技術とひらめき・独創性を駆使し、日々新しい料理を編み出し、私たちに驚きと感動を与えてくれます。今回はそんな魅力溢れるSOSA社製品を使用した、デセールの講習会が開催されました。
デセールならではの既成概念にとらわれない創造性のある世界は、思わず作り手も魅了されてしまうのではないでしょうか。見た目のインパクトと口に入れた後の驚き、そういったお客様の反応も想像しながら繰り広げられるデセールの世界は、無限の可能性を秘めています。
今回講師を務めて頂いたステファン・ヴュー氏からは、デセールの一番のテーマは『遊び』を常に念頭に置いているとおっしゃっていました。そんなテーマにSOSA社の製品はピッタリ!パティスリーでは出来ない様々な遊びを表現する事が出来るので、美味しさはもちろん、遊び心や驚き・更には無限の可能性まで作り手に与えてくれます。
そんなシェフの『遊び心』が詰まったアシェットデセールの講習会レポートを、早速ご紹介させて頂きます。
開催日 2012年8月23日(木)
講 師 スイーツシークレッツ ステファン・ヴュー エグゼクティブシェフ
主 催 サンエイト貿易
会 場 ドーバー洋酒貿易
Nuage de fraise ニュアージュドフレーズ
Nuage de fraise ニュアージュドフレーズ
赤いチュイールが食べる者の目を奪うそのフォルム。 ソルベの下にメレンゲの器に仕込まれたヴェルヴェーヌ風味のパンナコッタ、その周りをふんわりと囲む、ちょっと懐かしいわたあめ。もう一段下の器にはパッション風味のキャビアゼリーとタピオカのトロピカルなココナッツスープが潜んでいます。
立体的なスタイルも大変目を惹きますが、スープに忍ばせてあるキャビア状のゼリーや赤いチュイール・メレンゲで作られた器など、一つ一つのパーツから全体を通して、非常にインパクトのあるデセールに仕上がっています。
トップはストロベリーホールとシトロンピューレを使用した、口当たりが大変滑らかなソルベ。ここで使用しているSOSAプロクレマCOLDは非加熱タイプのソルベやアイスクリームに使用する安定剤で、撹拌した後寝かせる事無くアイスクリームマシーンで仕込む事ができます。さらに特筆すべきはその滑らかさ。ソルベに使用すれば、まるでアイスクリームの様なリッチな食感を得る事ができます。
下の器のココナッツミルクスープには、SOSAキャビアキットを使用したパッション風味のゼリーが入っています。キャビアゼリーは、アルギン酸ナトリウム溶液を使用したゼリー液を塩化カルシウム溶液に浸して作るのですが、浸す時間を短くする事で、キャビアの様にプチっと弾けるゼリーに仕上がり、逆に浸す時間を長くする事で、中までしっかり固まったゼリーを作る事ができます。
お皿の周囲をデコレーションしているストロベリーの泡は、なんと水槽に酸素を送り込むポンプを使用しています。ブレンダーで立てるよりも、どちらかというと洗剤の泡の様な軽いものに仕上がるとの事。泡の質感のこだわりには圧倒されます。
Pommes d’amour ポムダムール
Pommes d’amour ポムダムール
うって変わって、二品目は赤い球体が実に目を惹きます。中に何が潜んでいるのか・・・?思わず想像せずにはいられない、もしくは想像する事を楽しむためのデセールと言っても過言ではありません。期待を胸に球体を割ると、中にはタタン風リンゴのローストにヌガー風味のエスプーマ、アップルシナモンクリームが忍ばせてあります。
チョコレートで作られた赤い球体は一部が丸くくり抜かれていますが、この方が割れやすく・且つ量的にも食べやすいという配慮が施されています。デザイン性は勿論ですが、全体の味のバランス・食べやすさといい、お皿の上で繰り広げられる世界は実に奥が深いです。
球体の中に仕込んであるヌガーソフトエスプーマにはSOSAプロエスプーマCOLDが使用されています。これを使用する事によって、約30分はその保形性を維持する事が可能となります。実際食べてみてもその食感の軽さには大変驚かされますが、それでいてヌガーの風味がしっかり活かされており、軽く且つ風味が残る仕上がりとなっています。
球体の底にあるアップルシナモンクリームに使用されているのがSOSAジェルクレムCOLD。冷たいままの液体に加える事で、カスタードの様なとろみを付ける事が出来ます。更に加熱する必要性が無いので、ピューレなど素材そのものの味・色・香りを存分に生かす事が可能となります。
トップにデコレーションされているメレンゲスティックにはSOSAアルブミナを使用。添加する事によって大変きめ細かく安定性の高いメレンゲが仕込めます。オーバーランを高くとれるので、イタリアンメレンゲなど、シロップの沸き具合のタイミングに気を取られる事無く立てられるのも魅力の一つ。ピューレなどを加えて立てても離水する事無く、しっかりしたメレンゲが出来上がります。
Mont-Blanc cassis モンブランカシス
Mont-Blanc cassis モンブランカシス
網目状のチョコレートが美しいモンブラン・カシス。チョコレートの深みのある色合いにカシス風味のフォーム(泡)の色が実に良く映えます。中にはモンブランクリームにSOSAと言えばお馴染みの、卵の黄身を思わせる『スフェリフィケーション』が。今回は栗と相性の良いカシスとの組み合わせで。更にお皿にコロンと載っているのはクロケットショコラ。見た目はコロッケですが、中はガナッシュで覆われたカシスゼリーが潜んでおり、リザーブする直前に温める事によって、割った瞬間トロリとガナッシュが溢れ出る仕組みになっています。モンブランというと口金で絞り出すという決まったスタイルになりがちですが、このデセールはスフェリフィケーションやクロケットショコラの様に、割ると溢れだすアイテムを巧みに使う事で、食べる者への驚きをより一層高めています。
写真では確認が出来ませんが、マロンクリームの中にはSOSAベジタブルゼラチンを使用したカシスソースのスフェリフィケーションが入っています。ぷちっと割るとSOSAジェルエスペッサでとろみをつけたカシスソースがとろりと流れ出し、食べる者の心を一気に惹きつけます。
カシス風味のフォームにはSOSAインスタントジェルを使用しており、添加して立てる事で、自在に変形出来る程のしっかりした泡が作れます。それ以外にもゼラチンに比べ2〜3倍の速度で凝固する為、時間の短縮にもつながり、作業の効率化を図る事も可能となります。更には常温でも形状をしっかりキープできるのも外せないポイントです。
クロケットショコラのセンターに使用されているSOSAジェランガムは耐熱性に大変優れた凝固剤で、今回はカシスピューレでゼリーを作る際に加えています。それにガナッシュをまとわせパン粉を付けてオーブンで加熱する事で、中のガナッシュだけ溶けゼリーは形状をキープしたまま提供する事ができます。
Tiramisu poire et caramel ティラミスポワールキャラメル
Tiramisu poire et caramel ティラミスポワールキャラメル
スタイリッシュなグラスに盛られたティラミス。透き通ったチュイールに思わず目を奪われますが、見た目にも滑らかなソルベも大変魅力的です。ディスク状のチョコレートの下に潜んでいるものは・・・?思わず想像せずにはいられないデセールです。
グラスにはキャラメルティラミスのエスプーマ・キャラメリゼした歯切れの良いウォールナッツ・リンゴジュースで煮上げた洋梨とアーモンドのマーマレードと続きます。更にその下の空間にはプラリネチョコレートのクランブルが。実はこのクランブルには秘密が・・・?
グラスの中にはキャラメルティラミス風味のエスプーマ(泡)が。ティラミスというとマスカルポーネの濃厚なクリームを連想してしまいますが、ここでは何と泡で再現されています。SOSAプロエスプーマCOLDを使用する事で、素材の持ち味をそのままに、軽い食感の泡を作る事ができるので、こういった濃厚な素材でも簡単にふんわり軽い泡として仕上げる事ができます。
ここで注目なのがグラスの底にある『塩入プラリネチョコレートのクランブル』。このクランブルは通常のクランブルとは全くの別物で、粉も入っておらず火も通っていません。その秘密はSOSAマルトセック。この製品は、チョコレートなどの油脂分の多いものと合わせるとその油分を吸収していき、ガナッシュの様な状態になります。更に添加すればクランブル状に、最終的にはパウダー状にする事ができる、何とも不思議なアイテムです。
トップにデコレーションされている、透き通ったチュイールも見逃せません。これはSOSAジェランガムを使用して作られています。このチュイールは、通常のゼリーを作る要領でポワールピューレに砂糖・水・ジェランガムを添加して沸騰させ、その液体をシルパットの上に薄く均等に伸ばし、100℃の低温のオーブンでじっくり乾燥させます。出来上がったら熱い内に好きな形に変形させ、冷ませば完成です。
1000feuilles exotica ミルフィーユエキゾティカ
1000feuilles exotica ミルフィーユエキゾティカ
見た目だけでもカリッとした香ばしさが伝わってくるミルフィーユ。マンゴーのマーマレードとパッションクリームがサンドされています。お隣にはSOSAではお馴染の『スフェリフィケーション』。今回はパッションとハイビスカスの組み合わせで。ミルフィーユとは対照的な赤みのある色が見る者の目を奪います。その隣にはココナッツソルベ。周りには同じくココナッツのマシュマロがデコレーションされています。
正にタイトルの通り南国のフルーツとミルフィーユを組み合わせており、カラーの対照的な見た目はもちろん、パイの香ばしさとエキゾチックなフルーツとのマリアージュに心踊らされます。
ミルフィーユにサンドされているパッションクリームにはSOSAジェルクレムHOTが使用されています。コーンスターチが主成分の増粘剤で、カスタードクリーム等に添加する事で冷凍耐性のあるクリームに仕上げる事ができます。解凍しても離水しにくく、シューやエクレアにクリームを詰めた状態で冷凍する事も可能になります。効率良く作業するには外せないアイテムです。
同じくサンドされているマンゴーマーマレードにはSOSAインスタントジェルが使用されています。常温でもゼラチンと比べその状態を長くキープする事が可能で、今回のミルフィーユにサンドしている様に、薄い状態でもその形状を保つ事ができます。
こちらのスフェリフィケーションは、冷凍したソースをSOSAエラスティックにくぐらせて作られています。SOSAベジタブルゼラチンですと冷凍耐性がありませんが、こちらは球体のまま冷凍する事が可能になります。また、ナタデココの様にしっかりした弾力のある仕上がりになるので、食感を楽しむのにも良いのではないでしょうか。
Petits fours プチフール
Petits fours プチフール
見た目もポップなプチフール。スティックを用いれば普段何気なく提供しているプチフールも、とても遊び心溢れるものになります。チョコレートと組み合わせているのはSOSAのフルーツクリスピー。シックなチョコレートにトッピングすればクリスピーの色鮮やかさが実に映えます。更には口に入れた瞬間パチパチと弾けるキャンデーも!見た目だけではなくカリカリ・パチパチと食感も楽しめるプチフールだなんて、大人でも遊び心を刺激されますね。
テンパリングしたチョコレートを自由なライン状に絞り、色鮮やかなトッピングが施されたロリポップ。トッピングとしてSOSAバナナクリスピーパッションフルーツクリスピーラズベリークリスピーペタクリスピーが付けられています。
円柱状に作られたパン・ド・ジェーヌの上には、ラズベリーと柚子果汁をSOSAジェルエスペッサでとろみをつけ、パッションシードを加えて冷凍したソースが乗せられています。見る人の想像力を刺激するいかにもステファンらしい発想といえます。
SOSAアルブミナジェルエスペッサを使用して作られたパッションのメレンゲを、ココナッツファイン入りのクッキーでサンドしたプチフールも面白い作品。小さなお菓子にもSOSA社製品を使用した高度な技術が詰め込まれています。
ステファン・ヴュー氏
(株式会社SWEETS SECRETS)
1998年、仏デザートコンクールのジュニア部門で優勝。「リシャール・クタンソー」、「ギィ・サヴォワ」といった名だたるレストランで修行を積む。味も厳しさも一流のレストランで修行後、2001年にピエール・エルメ氏に弟子入り。エルメブランドの日本進出の一員として来日。
2003年、資生堂に活躍の場を移し、資生堂パーラーを指揮。 2006年9月より、(株)グローバルダイニングのエグゼクティブ・パティシエとして、レストラン、カフェのスイーツ部門、チョコレート専門店「デカダンス ドュ ショコラ」の指揮を担う。 2009年「食べた人を毎日幸せにする」をテーマにした、デカダンス ドゥ ショコラのカジュアルライン「デカダンス ドゥ ショコラ "Tous les jours"」をオープン。リング状のシュー生地に様々なフレーバーのクリームを詰めたドーナッツ型スイーツ専門店「CHoux Cring」が表参道、2店舗目を池袋Echikaにオープン。新たなヒット商品を次々に生み出す。
2010年10月スイーツシークレッツ設立。デモンストレーター、コンサルタントとして活躍の場を製菓業界全体にシフトし幅広く活動。

【ステファン・ヴュー氏の講習会レポート】
■ SOSA SUMMER DEMONSTRATION 2010
■ ミッシェル・クルイゼル講習会2010
■ SOSA SUMMER DEMONSTRATION 2011 「SUMMER COCKTAIL」
■ ミッシェル・クルイゼル講習会2011
■ ミッシェルクルイゼル デモンストレーション2011
■ SOSAアシェットデセール講習会2012
 
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