国産小麦を考える会は、これまで、有志による勉強会や北海道へ小麦の種蒔きツアー、国産小麦を使用しているベーカリーの視察など、「国産小麦」にかかわる様々な活動を行ってきました。実技講習会は、今回が2回目ということで、ピュラトスジャパン・イノベーションセンターを会場にプロユーザーを対象とした講習会を開催しました。
こちらの講習会の特徴は、何といってもアイテムの多さ。ベーグル、食パン、クロワッサン、フォッカッチャ、クランベリーショコラ、デニッシュ、クワトロフロマッジョ、ブリオッシュ、バゲットに加え、ライ麦のスコーン、ライ麦のクッキーと焼き菓子も登場。シンプルなパン(食パンやフォッカッチャ)は、季節の素材を用いてサンドイッチとしても紹介して頂きました。
国産小麦のパンは、「ふわっ」というよりは「もちっ」と、若干噛みごたえのある食感で、水分は少なめ。そして、それが国産のよさであり、そうであるべき、と考えられていた傾向にあります。が、しかし、神田先生のパンは違います。近年、国産小麦に注目が集まり、様々なシーンで、より外麦に近い使われ方も見られるようになりましたが、神田先生の食パンは、生地を丁寧に扱うこと、クリームチーズを練り込むこと、上手な改良剤の使い方で、しっとりと、ふんわり、それでいて、粉の味わいが深い逸品に仕上がっていました。
昨年(2009年)の収穫量激減で、TFOODSの商品棚には、現在(2010年9月)、国産小麦は薄力粉のみの品揃えです。製粉メーカーも「出荷できる商品がない」ということに、非常に申し訳ないとお話をされていました。しかしながら、元の収穫量になって流通が戻ってから講習会をしても後手後手になってしまう、と考えたメンバーが「もっと国産小麦について知って頂きたい」という熱い情熱のもとに今回の企画を実現させました。
TFOODSでは、みんなで食糧自給率アップ! をキャッチフレーズにした FOOD ACTION NIPPON に賛同しています。国産小麦の状況は、今日、明日に変化があるものではありませんが、長い目で、長いスパンで見守って頂けたら幸いに思います。
|