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上村究氏講習会
「ドゥマール」 上村究氏
TFOODS.COM主催 ヴァレンタイン講習会

 

バレンタインデーまであと2週間弱という2月初旬に、弊社主催のヴァレンタイン講習会を開催しました。
今回は、「カカオバリー×ドゥマール」のコラボイベントということで、カカオバリーのチョコレートとドゥマール製品の輸入元である日仏商事様、 フレキシパンやフレキシパット、シルパットのメーカーであるドゥマール様に協賛頂き、場所は渋谷の日仏商事・パティスリーラボをお借りし、 お土産にフレキシパットが1枚付く、というお値打ちな講習会となりました。

 

講師は、弊社の講習会では、お馴染みとなりましたドゥマール・アジアセールスマネージャーの上村究氏。 講習の2日前までは、オーストラリア・メルボルンでドゥマール製品のよさを伝えていた、という国際派。 TFOODSからは、カカオバリー社チョコレートを生かしたフレキシパットを活用出来るアイテムをお願いし、タイプの異なるチョコレートケーキを3品ご紹介頂きました。

 

「OROCHI(オロチ)」は、ピストールメキシック(カカオ分66%)を使ったプティガトー。 同じ%のチョコレートを用いて、ビスキュイ/ガナッシュ/シャンティショコラを構成してくのですが、 「同じチョコ使ったの??」と思わず口にしてしまいそうなテイストの違いを感じます。 仕込み方や他の材料との組み合わせでこれほどにも表現されるカカオの出方が違うものか、と感心させられると共に、配合はシンプルかつ基本配合となっている所がケーキ作りの本質を突いているなぁと感じました。

 

「Petit Antoine(プティ・アントワーヌ)」は、人気のパユテ・フォユティーヌとプラリネノワゼット、ショコラのザクザクとした食感を底に敷き、クレーム・ショコラ/ダクワーズ シャンティショコラで仕上げたプティガトー。ダコワーズでは、メレンゲの立て方を詳しく説明頂き、砂糖の完成形で愉しむことも勿論のこと、ですが、 ひとつひとつのパーツが他のケーキを創る上での基本的な配合として活用することも可能で、ひとつのレシピから広がる新たなアントルメやプティガトーを思いめぐらせるレシピでした。

 

WPTCの事務局もご担当されている上村氏の業界シェフ話や、コンクール秘話などは、 毎回、多岐に渡ってこぼれ話を聞くことが出来、そういったお話のもとにホテルでケーキを頂いたり、コンクールの結果を見聞きすると、感慨深いものがあります。

 

上級者向き、というご案内で募集をかけさせて頂きましたが、実習もスピーディーかつ理論的で、受講者から出る質問のクオリティも高く、 皆様がご満足頂けた内容にまとまりました。 当日は、シルパットやフレキシパンの特価品をご用意させて頂き、みなさん熱心にセレクトしていたのが印象的でした。

 

受講者の方がUPしてくださったBLOG記事はこちらから。

 
開催日
  2010年2月2日(火)
講師
  「ドゥマール」 上村究氏
主催
  TFOODS.COM
協賛
  日仏商事・ドゥマール
材料協賛
  カルピスフーズサービス・東海ナッツ・大東カカオ
会場
  日仏商事パティスリーラボ
 
 
 
前日、東京では雪が降り、開催に不安を残していましたが、講習会当日は、すっかり雪もとけてお天気に恵まれた渋谷の日仏商事パティスリーラボ。

  講習会場に着くまで、取り扱いラインナップが展示してあり圧巻です。今回は、バレンタインデーにちなんでカカオバリー社のチョコレートを重点的にレシピを組んで頂きました。

  弊社社長の挨拶に続き、日仏商事・鶴氏から商品のご案内。少人数制の講習会とあって、和やかな雰囲気のもと、スタートしました。

 
 
講師の上村氏。デモンストレーションを始める前に受講者の方のこれまでの経験や知識を確認し、講習内容に反映させてくださいます。レシピをまるで譜面をみるかのように分析する能力にいつも驚かされます。

  まずは、「オロチ」の【ビスキュイ・ショコラ・モワルー】から仕込み。卵白に砂糖を入れるタイミングと出来上がったメレンゲの状態について詳しい説明。ハンドミキサー使用では、砂糖は少しずつ入れていくのがよいそうですが、卓上ミキサーを使用する際は、最初から1度に入れた方が少し時間がかかったとしても泡持ちのよいメレンゲに なるとのこと。近年の労働者不足!?や誰にでも分かりやすく均一した仕込みをするために、この方法が主流になりつつある、と伺いました。

  生地の合わせ方も丁寧に説明頂きました。「少ない量を仕込むときは、生地をボウル全体に広げて」「メレンゲや粉合わせは、無理にゴムべらを動かさず、ボウルを動かして」 などちょっとしたコツがお菓子作りをワンランクアップさせます。

 
 
今回のお土産となったフレキシパットに生地を流してのばします。フチのついているこの型は、シート生地にぴったり。 生地合わせと同じで、自分が型のまわりで動くのではなく、型を動かして作業を進めます。もうひとつのポイントは、必ず焼く天板に フレキシパットをのせてから生地を流すこと。後からのせるのは容易ではありません。オーブン温度は、使用するオーブンで変わりますが、焼きあがりは、 指での感触で確かめていきます。アシェットデセールで用いる場合は水分を多めに残し、プティガトーで仕上げる場合は焼きを強くします。


  続いて、「オロチ」の【サブレ・クルスティヤン】の説明です。カカオニブローストを使ったサブレ生地は、カカオニブの粒以上に 薄くなることがないので、生地をのばしやすいとのこと、なるほどです。ロールパットで、生地をのばし、シルパンの上で焼いていきます。 シルパンには穴あき天板も必須アイテムで、さながらドゥマール3兄弟。ロールパットは、作業台の上で下部がしっかりとくっつき固定され、 手粉も少なくてすむので、タルト生地をのばしたり、パイをのばすにもお役立ちアイテムです。   「プティ・アントワーヌ」の【ダコワーズ・ノワゼット】を仕込みます。下準備の皮無ヘーゼルナッツ刻みを用意します。ノワゼットは小さく 不安定な形をしているので、まな板の上で包丁を使うのは至難の業。使い捨て絞り袋に入れ、面棒でたたいていきます。粗めに砕いたノワゼットが 焼きあがった生地の中で存在感を示し、食べたときの食感も非常によかったです。

 
 
ダコワーズのメレンゲは、ビスキュイより固めの泡立て。夏場は、乾燥卵白をグラニュー糖に対して10%用意し、糖と粉体混合して加えるとのこと。 こういった季節に応じた仕込み方法や材料の使い方を的確に数字でおさえてもらえるのもこの講習らしいスタイルです。

  家庭用シルパットにカードルをのせ、生地を流します。粗く砕いたノワゼットを散らし、粉糖を2度ふりして、焼成します。 このダコワーズ生地はT.P.T.(タンプルタン)ノワゼットでした。日本だとタンプルタン=アーモンド:粉糖のイメージが強いですが、ノワゼット (ヘーゼル)やくるみのT.P.T.もよくレシピに登場するようです。くるみパウダーで作っても美味しそう、と思いました。

  「プティ・アントワーヌ」の【クルスティヤン・プラリネ】を仕込みます。おなじみ、プラリネペーストとショコラ、パユテフォユティーヌのサクサク ショコラの土台です。プラリネペーストの扱いについては、容器の中でセパレートしていたらハンディブレンダーなどで均一にすること、 固すぎる場合は、レンジや湯煎などで温めてやわらかくすること、など細かくポイントの説明があります。そして、サクサクの食感を生かすために パユテフォユティーヌをつぶさないよう、ストレスをかけずサックリと合わせます。

 
 
生地類の仕込みがひと通り終わった所で、しばらく講義タイムです。まずは、日仏商事・鶴氏より、カカオバリー社のチョコレートアイテムを 説明頂き、今回、特に使用の多かったオリジンシリーズに関する詳しい解説を頂きました。

  1kgのチョコレートに含まれるカカオ分と砂糖の比率について解説中です。 この話は講義を聞いて頂いた方でないと、かなり難解の内容ですが、「なぜこの%の生クリームを使うのか」「なぜ基本配合のガナッシュはこの%のショコラを使っているのか」と いうことが、「目からうろこ!」の数字マジック。レシピをじっと見つめて?この理論に辿り着いた上村氏には驚かされることばかりです。講習会も中盤となり、眠気に襲われそうな時間帯に頭の体操をして、 みなさん、ますます上村ワールドに引き込まれていきます。
  最後に「時間があったら紹介しようと思っていた」ビスキュイ・スフレ・ショコラを仕込みました。バターを手鍋で溶かし、粉を火にかけ、パーター・シューのような 仕込み方をするスフレ生地です。このロールは、348x248xH20mmのフレキシパットに流しました。ふかふかで、しっとりの生地です。
 

使用したおすすめの材料

 
 
フレキシパット30×40

  ピストール・メキシック

  カルピス生クリーム37%

今回のお土産となったフレキシパット30×40。焼菓子、パート・ド・フリュイ、キャラメルなど広範囲にご使用頂けます。

  カカオバリー社のオリジンシリーズ。産地限定のカカオ豆を使い作業性のよいコイン状の仕上がり。

  カルピスの高品質生クリーム。まじりけのない白にチョコレートの香りと色が映えます。

 

上村 究氏

「ドゥマール・日本駐在事務所」 上村 究氏

 

ドゥマール社のアジア支部代表として、有名パティシエの講習会の解説や、WPTCの日本代表のサポート、アドバイザーなど国内外を問わず幅広く活動。

 

 ドゥマール

HP : http://www.demarlejapon.com/

 

 
 

 

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