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岡村尚之シェフ講習会
「パティスリー・スリール」 岡村尚之シェフ
パティスガストロノミー協会 特別講習会

 

少しずつ秋の気配を感じる9月末、パティスガストロノミー協会主催の特別講習会に参加しました。講師は「パティスリー・スリール」の岡村尚之シェフ。秋向けのお菓子にふさわしい、シブースト・ポワールと栗の焼き菓子・アルディッシュの2品を教えていただきました。

 

シブースト・ポワールで行なうキャラメリゼは、バーナーではなく、本格的な“キャラメライザー”を使用しました。受講者の皆さんも一人一個、キャラメリゼを体験。この道具は結構重さがあり、コツをつかむのが難しそうでしたが、表面部分がかなりの高温になるので、仕上がりや焦げ具合が非常に良い感じです。見ているととても楽しそうで、取り扱ってみるのもいいかも・・・なんて思ってしまいました。

材料選びでは、板ゼラチンはエバルド、マロンペーストはサバトンを使用しているという岡村シェフ。その理由を伺うと、昔から使っていて手に馴染んでいるし、変わらない良い商品だからとのこと。 TFOODSでも、エバルドの板ゼラチンやサバトンのマロン商品は、定番でよく売れているアイテムです。コンスタントに愛される商品の名前を、シェフの口から直接伺うことができたとき、また違った喜びを感じるものです。あらためて自信を持っておすすめしたい材料だと思いました。

 

『単純なもの、簡単なものほど工程を大切にしている』とおっしゃる通り、何気ない作業が丁寧かつ慎重。単純なもの・・・というのは言い替えればシンプルであるということ。わざとシンプルにすることで、思い描く味わいが前面に出るよう、緻密に計算されているのがお話から伺えました。
実は岡村シェフのお店「パティスリー・スリール」は、パティスガストロノミー協会から歩いていける距離。講習会が終わった後に、直接お店にお菓子を見に行く参加者の楽しそうな後ろ姿が印象的でした。

 

 
開催日
  2009年9月28日(月)
講師
  五本木 「パティスリー・スリール」 岡村尚之シェフ
主催
  パティスガストロノミー協会
会場
  パティスガストロノミー協会内サロン
 
 
 
「ビゴの店」藤森シェフの紹介で実現した、パティス初登場の岡村シェフ。以前「ビゴの店」の焼き菓子の監修をしていた頃のご縁とか。

  シブースト・ポワールのレクチャーからはじまります。イタリアンメレンゲにキャラメルを混ぜ合わせ、クレーム・シブーストを作ります。

  ポイントは固いものの中に柔らかいものを入れること。この場合はキャラメルにメレンゲを入れることで、生地に余計なストレスを与えません。

 
 
クレーム・シブーストは型に入れブラノパピエで表面をならし、そのまま冷凍庫へ。パレットでならすより効率が良く洗い物も少なくすみます。

  土台になるパータフォンセ。生地量の約1%ほどの少ない砂糖で構成されたレシピは、やわらかい歯ごたえを目指した配合です。

  皮付アーモンドパウダーでアーモンドの香りを引き立たせたクレーム・ダマンドに、カットした洋梨をたっぷりのせます。その上に蜂蜜をトロリ。

 
 
今回お菓子に使った蜂蜜はなんと貴重な蜂の巣入り。味に力強さを感じます。パティスさんおすすめラ・メゾン・ド・ミエール・ナミキの逸品。

  いよいよ本日の見せ場・キャラメリゼにとりかかります。グラニュー糖2回、最後に粉糖1回、計3回行ないます。

  使う道具は“キャラメライザー”。かなり高温になるこのアイテム、ジュッとコテを入れると、香ばしい香りと白い煙が立ち上ります。

 
 
レストランの場合はそのままパリッとした食感を楽しんでいただき、店で販売する場合は、これにナパージュをするそうです。

  次は栗の焼き菓子・アルディッシュ。小麦粉を使わない配合で、ローマジパンをベースにしています。マロンペーストはサバトンを使用。

  メレンゲは奥深いです・・・とポツリつぶやく岡村シェフ。「たて方の良い加減を見つけることが、良いメレンゲのポイントだと思います」

 
 
冷凍フランボワーズホールで作る簡単ジャム。保存用ジャムではないので砂糖は少なく、ユルユルの状態です。

  フランスでは栗+カシスの組み合わせはポピュラーですが、岡村シェフは独特の酸味があるフランボワーズをチョイスしています。

  お待ちかねの試食タイム! まずはクロワッサン。フィユタージュに近い製法で、お菓子屋ならではのクロワッサンを目指していると言います。

 
 
ケーキビュッフェ。手前は店で販売しているアルディッシュです。栗のほっこりした味わいにアーモンドの生地がコクを与えています。

  スリールはシュークリームも人気。参加者一人につき一個あたるので、お腹は大満足です。

  シブースト・ポワールは、キャラメルの香ばしい甘みの中に洋梨のシャキっとしたアクセントが光ります。表面はもちろんパリパリ!

 

岡村尚之シェフ

「パティスリー・スリール」 岡村尚之シェフ

 

1963年新潟県生まれ。ルノートル、銀座資生堂パーラーに勤務。 銀座資生堂パーラー時代には「ジャン・ポール・エヴァン」や「オテル・ド・クリヨン」などフランス修行を経験。 帰国後は銀座資生堂パーラー製菓長、レストラン・ロオジエ製菓長を歴任。2005年5月「パティスリー・スリール」オープン。 ジャパン・ケーキショー金賞他受賞歴多数。

 

 「パティスリー・スリール」

住所 : 東京都目黒区五本木2−40−8

営業時間 : 10時〜20時30分  定休日 : 水曜日

 

 

 

 

 

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