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藤田統三シェフ講習会
「ソルレヴァンテ」 藤田統三シェフ
Sweets Please <夏の番外編> 講習会

 

“友達の輪”形式でシェフが登場する、小松崎喜美子さん主催の Sweets Please 講習会。今回は夏の番外編ということで、イタリア料理・菓子専門店 「ソルレヴァンテ」 藤田統三シェフを迎え、スイーツを含めた料理講習会が開かれました。

キーワードはトマト。キッシュ以外は全てトマトを使い、家庭でも簡単にできるプロのコツを教えていただきました。

メニューは以下の6種類。

 

・ガスパチョ
・キッシュ
・ソルレヴァンテ風サラダ(フルーツドレッシング)
・桃とフルーツトマトの冷製パスタ
・セモリナ粉で作るサルディーニャのニョッキ“マッロレッドゥス”〜自家製ソーセージ肉とブロッコリーのピリ辛トマトソース
・トマトとグレープフルーツ、桃のゼリー仕立て

 

セモリナ粉を使った“マッロレッドゥス”は、イタリア・サルディーニャ地方のニョッキ。ニョッキといっても、南イタリアは粉モノ系、北イタリアはじゃがいも・・・というように、イタリアの南北でも違いがあるようです。 また、“マッロレッドゥス”に練り込んでいるサフランは、イタリアでもよく使われる香辛料ですが、これはアラブの侵略によってシチリア島に入ってきたのがはじまりなのだとか。 アラブのほかにスペインやフランスの侵略も受けているイタリアは、食のルーツをたどるとそれら国々の食文化が入ってきており、その歴史的背景を交えたお話は、大変興味深かったです。

 

そして特筆すべきはトマトソース! 一般にニンニクを熱しすぎると焦げ臭がでると言われているのですが、藤田シェフがイタリアで出会ったのは、まさに真っ黒になるまでニンニクを焦がす方法。 シェフも「えー! ほんまに!?」と思った方法で作ったトマトソースは驚きの美味しさだったそうです。百聞は一見にしかず。実際に食べてみて納得です。

 

料理は料理、お菓子はお菓子ではっきり頭を切り替えるという藤田シェフ。今回トマトを使ったゼリーということでしたが、トマトエキスの抽出にはじまり、ゼリーを構成するいくつもの工程・・・。ゼリーと呼ぶにはとても手の込んだ一品を紹介いただきました。 香りと食感のアクセントに散らしたセロリとディルがアクセントになっており、このハーブを組み合わせるのは料理人ならではの得意分野ですよね。

料理人兼パティシエの顔を持ち合わせる藤田シェフならではの講習会。イタリアの風を感じた夏の一日でした。

 

 
開催日
  2009年8月19日(水) 10:30〜15:00
講師
  ソルレヴァンテ」 藤田統三シェフ
主催
  Sweets Please」 小松崎喜美子さん
会場
  ドーバー洋酒貿易梶@講習会場
 
 
 
デザートに使うトマトの仕込みからはじめます。湯むきトマトに塩をふり、浸透圧で染み出てきたエキスを時間をかけて抽出します。(A)

  その間料理に取り掛かります。はじめはガスパチョ。スイカとトマトがベースです。野菜はカットし、ハンディミキサーで攪拌します。

  スイカのスッキリしたみずみずしさの中にトマトやパプリカ、セロリの濃厚な味わいを感じる「ガスパチョ」。タバスコがピリッときいています。

 
 
これはキッシュのブリゼ生地。オーブンから出すとぷっくり膨れています。やわらかいので手を使って、型にフィットさせます。

  深緑色のアパレイユはトックブランシュ・抹茶を使用しています。同じクロロフィル系のほうれん草をイメージして考案。

  キッシュ」と「ソルレヴァンテ風サラダ」。サラダに添えられたフルーツドレッシングにはトックブランシュ・フランボワーズを使用。

 
 
次は冷製パスタ。刻んだエシャロットを使います。エシャロットだけパスタに入れても美味しく、今回の料理には欠かせない素材だといいます。

  パスタには“Re”というシチリア産EXヴァージンオイルを使用。別名・王様のオリーブオイルと呼ばれ、フルーティーな味わいが魅力です。

  トマトに塩をふり、浸透圧で染み出てきたエキスとオリーブオイル、トマトをあえたもの。このトマトドレッシングなるものでパスタをあえます。

 
 
「冷製パスタは、麺だけ食べても美味しいと思える仕上がりにするのがポイントです」。ゆで方、冷やし方、塩加減など納得のポイント満載。

  麺にトマトエキスがからみ、しっかりした味わいの「桃とフルーツトマトの冷製パスタ」。桃のジューシーな甘みと塩加減が絶妙です。

  次はニョッキ。セモリナ粉を使ったニョッキ生地にはサフランが入り、色・香りともに鮮やか。オリーブの木でできた専用板で溝をつけます。

 
 
シェフ曰く“危険なトマトソース”。水蒸気がでるので少しあぶないですが、この製法で作ると驚くほど美味しいトマトソースになります。

  自家製ソーセージなどを入れて、ニョッキにしっかりソースを絡めます。初の料理講習会ということで、スタッフさんも試食の準備に大忙し!

  セモリナ粉で作るサルディーニャのニョッキ「マッロレッドゥス」。ニョッキそのものが際立つ味わいで、トマトソースの旨味も抜群です。

 
 
最後はデザート。はじめの工程(A)でトマトから抽出した透明なエキスとカンパリ、グレープフルーツでスプモーニのジュレを作ります。

  グレープフルーツのジャム作り。イタリアではまるごとお湯に入れて作るそうです。均等に火が通るよう指で回し、裂け目ができるまで煮ます。

  これは桃とグレープフルーツのジャム、クールアガーで作った固めのゼリーをフィットチーネのように麺状に細くカットした様子。

 
 
注目はライムゼリーに使う凝固剤。なんと片栗粉を使用しています。とろ〜んとした独特のやわらかさは葛を思わせるほど。このふるふる感が伝わるでしょうか。
  トマトとグレープフルーツ・桃のゼリー仕立て」。スプモーニのジュレ、ライムゼリー、桃のフィットチーネ風ゼリーで構成された手の込んだ一品。セロリが隠し味に。
  藤田シェフとサポートのソルレヴァンテスタッフ舩橋さん。息のあった作業で、出来立ての料理を次々と出していただきました。皆さん大満足。ごちそうさまでした!
 

藤田統三シェフ

「ソルレヴァンテ」 藤田統三シェフ

 

1970年大阪生まれ。大阪あべの辻製菓専門学校卒業後、フランス菓子店「ル・プレジタン」にて修行。 その後、イタリア人パティシエの作るイタリア菓子に衝撃を受け、イタリア菓子やイタリア料理、ジェラートを本格的に学ぶ。 1999年にイタリアに渡り、ガルダ湖近くのレストランやバレーゼの菓子店にて修行。 2000年帰国後は大阪南船場「パスティッチェリア・バール・ピアノピアーノ」と梅田阪急「グランドステージ」2店舗のシェフパティシエとして活躍。 国内外のレストランやパティスリーで学んだ後、2005年「ソルレヴァンテ」の取締役兼料理長に就任。

 

  Sol Levante (ソルレヴァンテ)

住所 : 東京都港区北青山3-10-14

営業時間 : 11時〜20時   定休日 : 水曜不定休

HP : http://sollevante.jp/

 

 

 

 

 

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