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フレデリック・マドレーヌシェフ講習会
「ル・ポミエ」 フレデリック・マドレーヌシェフ
パティスガストロノミー協会 特別講習会

 

パティスガストロノミー協会主催の特別講習会に参加しました。講師は「ル・ポミエ」のフレデリック・マドレーヌシェフです。 フランス・ノルマンディー出身のシェフは、日本へきて約16年。伝統的なフランス菓子を伝えた功績が認められ、今年2月にフランス国家功労勲章「シュバリエ」を受章しています。

今回は醗酵生地とフォンダンの扱い方がテーマということで「サバラン」と「エクレア」が題材となりました。レシピは講習会用ではなく、お店で出しているレシピをそのまま披露。お店の味を惜しみなく教えていただきました。

 

サバランやババなど醗酵生地のお菓子は、フランスのパティスリーには必ずある定番のものです。シェフによって個性が光る一品でもあります。 シロップにはついラム酒を思い浮かべがちなサバランですが、シェフはオレンジリキュールのグランマニエを使用。それとオレンジジュースを少し。 生地はしっかりシロップを含んでいるものの、それに負けない存在感があります。お酒がしっかり効いた大人のお菓子をイメージしていましたが、なんともフルーティーかつジューシーな味わいに、いい意味でイメージを覆された一品でした。

 

マドレーヌシェフは理屈では語りきれない“感覚”というものをとても大事にしています。生地の仕上がり、醗酵の具合、そして焼き加減・・・。ひとつひとつの工程に光らせるチェックの眼差しが物語っていました。エクレアの工程では指を使ってフォンダンを上掛けしていくのですが、パティスの鈴木会長曰く「とても職人的・古典的な方法」とのこと。良い技を見せていただきました。シェフのお店ではお菓子だけではなくヴィエノワズリも充実しています。マドレーヌシェフが日本で実践している本来あるべきフランス菓子店の姿というものに触れることができたひと時でした。

 

 
開催日
  2009年6月28日(日)
講師
  世田谷 「ル・ポミエ」 フレデリック・マドレーヌシェフ
主催
  パティスガストロノミー協会
会場
  パティスガストロノミー協会内サロン
 
 
 
会場はパティスガストロノミー協会内のサロン。洋館のような趣きのある雰囲気は、フランス菓子を学ぶ気分を盛り上げてくれます。

  フレデリック・マドレーヌシェフ。通訳&ナビゲーションはパティスの鈴木会長です。フランス語を交えながら講習会がはじまりました。

  シェフはリンゴ栽培が盛んなノルマンディーの出身。「ル・ポミエ」という店名は、故郷をしのぶリンゴの生菓子に由来しています。

 
 
最初のレシピ「サバラン」の工程です。ゆるめな醗酵生地はひとつひとつ手でならしていきます。参加者の女の子達も挑戦!

  醗酵後の生地の様子です。油脂分や糖分が多いリッチな生地なので、サフ/セミドライイーストゴールドを愛用しているそうです。

  焼成した生地にシロップを吸わせます。シロップに漬ける時間は、ひとつひとつ手で確認し、頃合いを見計らって取り出します。

 
 
左側がシロップを吸わせる前、右側がシロップを吸わせた後。芳醇な香りをたっぷり吸い込んで、ふっくらとしています。

  今回使ったグランマニエは100年記念に発売されたとてもレアな逸品! パティスさんが特別に用意してくれました。香りが華やかです。

  シェフのサバランはアクセントにパッションのジュレを忍ばせます。ゼラチンとジュレデセールを併用し、思い描く固さに仕上げています。

 
 
中心に生クリームをたっぷり絞り、フルーツをトッピングしていきます。

  ジューシー感のある生地にグランマニエのフルーティーな香りがぎゅっと凝縮されています。お子さんでも抵抗なく食べられるサバランです。

  次は「エクレア」の工程です。生地状態を確かめるため、ミキサーにまかせるのではなく、触覚で何度もチェックをしていきます。

 
 
整然と並んだエクレア生地。綺麗な絞り口です。

  生地に詰めるキャラメルクリームを作ります。このレシピではプードルアクレームというカスタードパウダーを使用しています。

  キャラメルは生クリームから作るのが一般的と思われていますが、定義は実に幅広く、シェフのレシピはとても参考になります。

 
 
エクレアに使うフォンダンです。TFOODSでも既製品のフォンダンを販売していますが、手作りを見るのは初めてです。

  フォンダンは刷毛ではなく指を使って仕上げます。この方法はとても職人的。若いパティシエでフォンダンを上手に扱える人は少ないそう。   角や鼻、背中の模様など各パーツを飾りつけていきます。実に細やかな作業です。
 
 
牛以外の干支だったらこんな感じかな? 参加者の女の子がレシピの横に絵を描いていました。可愛い! 想像がふくらみますね。   チャーミングな牛のエクレアの完成です。上掛けしたフォンダンの甘みとキャラメルクリームのほろ苦さがマッチしています。   講習会では「ル・ポミエ」のキッシュもサービス。本来は高さのあるこのような形がトラディショナルなのだそうです。その大きさにはびっくり!
 

フレデリック・マドレーヌシェフ

「ル・ポミエ」 フレデリック・マドレーヌシェフ

 

フランス・ノルマンディー出身。フランスでパティスリーや三ツ星レストランなど数々のお店を経験後、1997年「ダロワイヨ・フランス」にてシェフパティシエを務める。 1999年「ダロワイヨ・ジャポン」のシェフパティシエに抜擢され日本へ。2005年10月東京世田谷に「ル・ポミエ」をオープン。2009年2月にはフランス政府よりその功績を認められ、フランス国家功労勲章「シュバリエ」を受章。

 

 「ル・ポミエ」

住所 : 東京都世田谷区北沢4-25-11

営業時間 : 10時〜20時30分、 年中無休

ホームページ : http://www.lepommier-patisserie.com/

 

 

 

 

 

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