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丸山正勝シェフ講習会
「ル・ガリュウM」 丸山正勝シェフ
第8回 Sweets Please 講習会

 

“友達の輪”形式でシェフが登場するSweets Pleaseのスイーツ講習会レポートです。第8回目の今回は、仙川「サロン・ド・シェフ・タケエ」武江章シェフの紹介で、大田区山王「ル・ガリュウM」丸山正勝シェフが講師に招かれました。

 

デモンストレーションでは、カルピスのババロワとアールグレイの生菓子「ラクティック」、太陽とひまわりをイメージしたパッションフルーツのタルト「ソレイユ」、フランス・ディジョンの伝統菓子「パンデピス」の3品を披露。さらに、おまけで「パンドジェンヌ」のレシピもご紹介いただきました。

 

夏にむけたレシピということで、日本ならではの飲み物“カルピス”を使ったお菓子「ラクティス」に注目が集まりました。カルピスを牛乳に見立てて作るカルピスのババロワに、軽い口溶けのアールグレイのシブーストをあわせています。もともとの原液が甘いカルピスですが、カルピスのほんのりとした酸味とアールグレイの気品ある香りが全体を引き締め、実にバランスのよいやさしい味わい。フォークを入れるとふんわりやわらかく、口の中にじゅわ〜と広がるような食感もまた格別です。親しみある“カルピス”という素材をうまく使った、どこへ持っていっても喜ばれそうな一品です。

 

ユニークで気さくな丸山シェフは、前回講師を務めた武江シェフが「熱いハートの持ち主」と絶賛するように、人を楽しませるのが上手というか、作るお菓子や選ぶ素材からそんな雰囲気が伝わりました。一方で、「ババロワ」にこだわり、「パンデピス」や「カリソン」など伝統的菓子にも情熱を注がれており、ご自身のフランス菓子のベースがしっかりと根底にあるからこそ、素材が生きるということを感じました。

 

 
開催日
  2009年6月19日(金)
講師
  大田区山王 「ル・ガリュウM」 丸山正勝シェフ
主催
  Sweets Please」 小松崎喜美子さん
会場
  ドーバー洋酒貿易梶@講習会場
 
 
 
日本ならでは懐かしい味“カルピス”を使った「ラクティス」のデモからスタート! 「皆さん、最近カルピス飲んでいますか?」と丸山シェフ。

  アールグレイの茶葉を混ぜたビスキュイです。放置しても死ににくい配合ということで、扱いやすさとしっとりした仕上がりが特徴とのこと。

  次はアールグレイのシブースト。冷凍を考えてトレハを配合。最初はトロトロの状態ですが、すごい勢いで混ぜ合わせていくと・・・

 
 
このような状態に。普段は二人がかりで行なうハードな作業だとか。最後に茶葉と濃縮エキス・トックブランシュ紅茶を加え香りを高めます。

  いよいよカルピス登場です。ババロワの独特な食感が好きという丸山シェフは、通常牛乳の配合をカルピスに置き換えて作ります。

  最近ババロワを作る店が少なくなっているように感じると言う丸山シェフ。自分のお店ではババロワは守っていくつもりとおっしゃていました。

 
 
どんな味が待ちきれないお客様のために、早速試食が登場。驚くほど軽やかな仕上がりで、フォークがスーっと入るやわらかさ。

  試食に夢中になっている間に「ラクティス」の仕上げをしていきます。透明ナパージュにはピュラトス/ミロワールヌートルを使用。   カルピスのやさしい味わいと茶葉の上品な香りがマッチした「ラクティス」。小さなお子さんからお年寄りまで幅広い層に喜ばれる一品です。

 
 
次は「ソレイユ」の工程です。ダックワーズ生地で太陽とひまわりをモチーフにした形を絞ります。

  パッションフルーツのプリンをイメージしたアパレイユ。タルト生地はテイクアウトの時間も考えしっかり焼き込みます。食感のアクセントにも。   表層のダックワーズをサクッと割ると、中からトロトロのアパレイユ・パッションが。夏らしいモチーフと酸味が爽やかな「ソレイユ」。

 
 
「パンデピス」の材料です。油脂が入らない昔ながらのルセットで、配合の約半分が蜂蜜というかなりしっとり感のある仕上がりに。

  アニス、シナモン、グローブ、ナツメグなどスパイスたっぷり。香りを最大限生かすため、スパイスはお店で粉にしています。

  食感の肝になるライ麦には荒挽・アーレミッテルを使用。一見混ぜるだけで簡単そうな手順ですが、材料の温度設定がポイントとのこと。
 
 
「パンデピス」は好き嫌いが分かれるかも? と丸山シェフ。個性のある「パンデピス」は5mmの薄切りで楽しむのがオススメです。

  表面をコーティングして完成。スパイスの濃厚な香りで、キレのある味わいの「パンデピス」。ザクザクの食感もまた魅力です。   おまけで披露していただいた「パンドジェンヌ」。こちらもフランスの伝統的な焼き菓子です。
 
 
Sweets Please恒例のプレゼントはくじ引きで。みのさんばりの絶妙な仕切りに会場爆笑です! 何が当たるのかな・・・?   プレゼントはカラフルな色合いとアーモンドのような形が可愛い「カリソン」。南仏の郷土菓子で丸山シェフの思い入れ深いお菓子です。   ユニークで気さくな丸山シェフ。デモ中も「前に出て見ていいですよ〜」と参加者との距離が近い講習会でした。最後はみんなでパチリ。
 

丸山正勝シェフ

「ル・ガリュウM」 丸山正勝シェフ

 

1966年長野県生まれ。代官山レストラン「小川軒」、「シェリュイ」を経て渡仏。パリ「エルグワシュ」などで修業し、帰国後は「ルコント」へ。 1994年から10年にわたって「トロワグロ」のシェフパティシエを勤められ、2005年大田区山王に「ル・ガリュウM」をオープン。

 

 「ル・ガリュウM」

住所:東京都大田区山王1-32-6

営業時間:10〜20時、 定休日:水曜

 

 

 

 

 

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