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お菓子教室 ル・プティ・シトロン

今回は東京の世田谷区でお菓子教室「ル・プティ・シトロン」を主催する
西山朗子先生の授業に参加させていただきました


5月の授業は、この春に日本に輸入が開始されたばかりのボワロン社の新製品
「冷凍セミコンフィ・シトロン」を使った「タルト・オ・シトロン」と、
クルミの名産地であるフランスのグルノーブル地方のクルミを贅沢に使った
「ガトー・ノア・ド・グルノーブル」です。

タルト・オ・シトロン
ガトー・ノア・ド・グルノーブル

「タルト・オ・シトロン」はフランスやスイスなどではポピュラーなお菓子で、ほとんどのお菓子屋さんで作られています。地中海の目映い陽射しを連想される鮮やかな黄色いアパレイユ(フィリング)が目を引きます。レモン特有の爽快な香りと、インパクトのある力強い酸味は、特に食後のデザートとして欧州の人達を魅了しているようです。

タルト生地は、室温でだれないように手早く型に敷き詰めることが要求されるので、生徒さんたちが真剣に作業していたのが印象的でした。また、レモンの皮をすりおろす際に、表面の黄色い果皮の部分だけに香りの成分が多く含まれているので、その部分だけをするのが意外と難しそうでした。

フレッシュ・レモンの果汁と果皮、その上セミコンフィ・シトロンを併用したので、教室内はレモンの爽快な香りが広がり、とっても贅沢な仕上がりになりました。このお教室でしか味わうことのできないオリジナル・レシピのお菓子で、一度食べるとやみつきになりそうなほど美味しかったです。


「ガトー・ノア・ド・グルノーブル」のグルノーブルとは、フランスのアルプスの山並みに近いローヌ・アルプ地方の中心都市の一つで、1968年に冬季オリンピックが開催されたことで有名な町です。そのときにクロード・ルルーシュ監督によって製作された記録映画「白い恋人たち」もご存知の方が多いのではないかと思います。
環境に恵まれたこの地域では昔からクルミが栽培され、クルミのお菓子が盛んに作られてきました。チョコレート生地にクルミをふんだんに配合したこのお菓子は、まさにフランスのアルプス地方を代表する伝統菓子といえます。

シンプルな作業工程のお菓子だったので、配合量さえしっかり間違えなければ上手に焼き上がる、気軽に作ることのできるお菓子でした。

どちらもフランスでは人気の有る定番品で、一度は自分でチャレンジしてみたいお菓
子ですね。5月の授業は比較的時間に余裕があったので、「ラム・ボール」というお
菓子も講習していました。あまったスポンジ生地を利用して作るお菓子で、ラム酒を
きかせた風味と表面にコーティングしたチョコレートのコクが調和した、作業工程の
シンプルな初心者向けのデザートです。カカオバリー社のパータグラッセというコー
ティング専用のチョコレートを使用したのですが、これはプロ向けの製品でテンパリ
ング作業無しで湯煎するだけですぐにカバーリングできる優れものです。

ただ、最後に生地をチョコレートでコーティングする作業が意外とコツがいるらしく、パレットナイフから落としてしまう生徒さんも何人かいたのですが、みんなで楽しく作業にチャレンジしていました。このお菓子は冷たく冷やして食べていただくと、まさに大人向けのデザートとして最適です。

 


今回使用した冷凍セミコンフィ・シトロン(右の写真)は、地中海で収穫されたレモンの皮(ピール)を細かく刻んで果汁シロップに漬け込んで風味を向上させる、贅沢な製法で作られています。フレッシュ・フルーツ同様のみずみずしい風味があり、力強く爽やかな酸味が口の中に広がる、味にこだわった新素材です。

日頃から精力的に情報収集を心がけている西山先生は、ボワロン社のセミコンフィ・シリーズのことを知り、すぐセミコンフィ・シトロンで試作を行ない、その風味の良さを高く評価していました。

また、フランス産のクルミ(左の写真)はフランス・グルノーブ地方の特に質の良いクルミを収穫したもので、今回はその素材を使いました。

もともと非常に収穫量が限られているので輸出量が少なく、手に入りにくい貴重な素材でしたが、ここ数年ようやく日本にも少量ですが安定供給が可能になりました。アメリカで栽培されているクルミと異なり、実のサイズは小ぶりで国産クルミに近いものです。風味も国産クルミに似て、渋味は少なく、特有の甘みがあり食べやすいクルミです。アメリカ産や中国産クルミと食べ比べてみると風味の違いがはっきり判るので、みなさんも機会があれば是非試しください。

 


「ル・プティ・シトロン」は少人数制で授業を行なうので、みんなで協力しながらお菓子を作ることになります。
1回の講習で生菓子と焼き菓子の2品を作成し、両方とも持ち帰ることが出来ます。焼き菓子に関してはラッピングの講習も行なっているので、手作りのお菓子を気軽にプレゼントしたいときに役に立つのではないでしょうか。
計量から仕上げまでを生徒さん自身で作業することになりますので、生徒さん達は自然とお互いに協力して作業するようになり、楽しく授業を受けることができます。
もちろん、西山先生は仕込みのポイントを丁寧に指導してくれますし、あくまでも生徒さん自らの手で最後まで作り上げていくことを目標にしていますので、常に生徒さん一人一人に対して熱心にアドバイスをしていまいた。

こういったキメの細かい指導は、大人数で行なわれるお菓子教室では得ることのできないものだと言えます。また、生徒さん同士もすぐに打ち解けて和やかな雰囲気で講義を受けながら、みんなで会話を楽しんでいたのが印象的でした。この家庭的な授業が評判となり、現在は名古屋や仙台からも参加する生徒さんがいるほど人気のお菓子教室です。
 


西山先生プロフィール

 

1963年 兵庫県生まれ
1986年 慶應義塾大学卒。洋菓子研究家の藤野真紀子先生に師事し、ディプロマを取得後、パリで洋菓子作りを勉強。ピエール・エルメ氏のラボでスタジエも体験。
2000年 世田谷の自宅にてケーキ教室
「Le Petit Citron」を主催。

今でも毎年パリを訪れ、ル・コルドン・ブルーやエコール・ルノートルのレッスンに参加し最新の技術を習得している。

教室ではパリでの楽しいエピソード等を交えながら「自宅で簡単に作れる本格的なフランス菓子をご一緒に」をモットーに少人数制で直接指導。

この他に、年数回、都内百貨店やカルチャースクールにて「子供ケーキ教室」を担当し好評を得ていて、「ベイクウェアシリーズ」というケーキ型を生産している富士琺瑯工業(株)のオフィシャル・アドバイザーでもある。

 

住所 世田谷区瀬田2-31-3-503
TEL&FAX 03-3708-4383
E-mail petitcitron2000@aol.com
URL http://www.akiko-nishiyama.com/


 

   

 

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